2020年9月10日にお笑いグループ「超新塾」のメンバーでタレントのアイクぬわらさんが新型コロナウイルスの検査で陽性であったことがわかった。アイクさんは出演する舞台朗読劇「黒世界~リリーの永遠記憶探訪記、或いは、終わりなき繭期にまつわる寥々たる考察について~」<日和の章>に出演予定だったが、稽古に入る前にPCR検査を受けた結果、陽性反応となった。「黒世界」は脚本家・末満健一さんによる舞台「TRUMP」シリーズの新作で、末満さんは9月11日にツイッターでアイクさんを気遣った。「次の機会を必ずつくる」末満さんはツイッターに「稽古場での稽古が始まる前に関係者全員のPCR検査を実施。アイクぬわらのコロナ陽性が確認された。スケジュールが間に合うならアイクに出てほしかったが、難しいとの判断になった。アイクとは是非一緒にやりたいので、次の機会を必ずつくる。アイク、まずは養生な」と投稿、アイクさんの体調を気遣った。「黒世界」自体はアイクさんの代役を立てて、予定通りのスケジュールで上演する。アイクさんはこの公演が初の演劇舞台出演だった。アイクさんの所属事務所で、主催のワタナベエンターテインメントは、休演の理由について、9月19日まで経過観察・自宅療養となったため、初日(9月20日)までに十分な稽古期間を確保できないためと説明している。公演関係者に濃厚接触者はいないという。新型コロナの蔓延以後、演劇界は俳優・スタッフの感染防止に神経をとがらせている。稽古前のPCR検査は大小を問わずかなりのカンパニーが行うようになり、陽性者が判明した時点で公演を中止にする事例も少なくなかった。「黒世界」のケースは関係者に濃厚接触者がいなかったことなどから、アイクさんの代役を立てた上で公演を行う予定で、冷静な対応に終始したといえる。当面、コロナ対策と舞台上演の両立が求められ、俳優の休演も想定しておかなければならないと思われる。陽性者が出た場合の「プランB」として代役俳優の確保や構成の練り直しも選択肢になる。「ShowMustGoOn(ショーは続けなければならない)」の名言が伝わる演劇界であるが、観客に舞台を提供しつつ安全に公演を遂行するためには、このような柔軟な「働き方改革」も求められているかもしれない。(J-CASTニュース編集部 大宮高史)
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