2024年 5月 7日 (火)

ハンコに続く「FAX廃止」に戦々恐々の現場 役所、教育、国会...なぜ今も使っているの?それぞれの「事情」

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小学校も...親は「この世からFAXを消し去ってください」

   保健所の業務負担の軽減も導入の狙いだったが、活用が進まない理由を、大阪府内の保健所幹部はこう明かす。

「医療機関に手書きでなくハーシスに直接打ち込んでもらえるよう、調整を続けていますが、コロナ禍で多忙な医療機関にすぐに対応してもらうのは難しいです。医療機関からも『入力するのは手間がかかる。紙での届け出で十分事足りる』と難色を示されています。今までのやり方を早く変えようとして、混乱が起きたら医療体制の崩壊につながりかねないので、慎重に進めています」
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   18年6月に発覚した、東京都目黒区で当時5歳の女児が父親の虐待を受けて死亡していた事件では、児童相談所(児相)間の情報共有のあり方に問題があったと報じられた。児相では、虐待が疑われる子どもが他の自治体に転居して行方がわからなくなるとFAXを送って問い合わせていたのだ。

「機微な子どもの個人情報を扱っているので、FAXを使っています。自治体ごとに個人情報保護条例が異なりますし、セキュリティーの対応もまちまちなので、メールなどでやり取りするのは難しいのです。せめてメールくらいはダメなのかと、議論になったことはあるのですが...」(東京都内の児相の所長)

   新型コロナの感染者に関するオンラインでの情報管理でも同様に、多くの自治体で個人情報保護条例が「ネック」になった。審査手続きに時間がかかり、東京の都区部や大阪市などで8月に入ってもハーシスの運用が始められない事態となった。児相でもメールなどオンラインで情報共有するには同様の手続きが必要だが、「調整に時間がかかるので、当面可能な対応策として、FAXを使い続けることになった」(先出の児相所長)のが実態なのだ。

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   保健所や児相だけでなく、小学校などでも、家庭との連絡にFAXを使っているケースもある。17年1月、小学校に子どもの欠席や遅刻などの連絡をする時は電話ではなく必ずFAXで送信するよう求められたという、親と思われる匿名の投稿者によるブログ記事が話題になった。

   投稿者は「朝の忙しい時に電話が鳴るのは大変だろう」とある程度の理解を示したうえで、「年に数回あるかないかの学校への連絡のためだけに、固定電話を引いてFAX本体を買わないといけなくなりました。神様、お願いです。この世からFAXを消し去ってください」と書き込んでいた。

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