2024年 4月 17日 (水)

菅首相「いつの間にかGoToが悪いことに...」 「アクセルとブレーキ」論にも反論

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   菅義偉首相は2020年12月11日に出演した「ニコニコ生放送」の番組で、政府観光支援事業「GoToトラベル」について、政府が運用を一時停止する検討を始めたとの報道について、「まだそこは考えていません」と否定した。

   この日、政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会は、感染が急増している「ステージ3」相当だと分科会がみる地域について、「拡大継続」「高止まり」「減少」の3つに分け、そのうち「拡大継続」「高止まり」にあたる地域については事業の一時停止を求めることを決めたばかり。菅氏は「いつの間にかGoToが悪いことに...」などと述べながら、事業の扱いについて「それぞれの自治体と調整していく」とした。さらに、「経済を壊してしまったら大変なことになる」などと経済の重要性を繰り返し、「アクセルとブレーキを両方踏んでいる」という批判にも言及した。

  • 記者会見する菅義偉首相(2020年12月4日撮影)
    記者会見する菅義偉首相(2020年12月4日撮影)
  • 記者会見する菅義偉首相(2020年12月4日撮影)

GoTo運用は「それぞれの自治体と調整していく」

   菅氏は「運用の一時停止を検討」報道を否定した直後、次のように話した。

「考えていないというか、今日、提言を受けたわけだから、その提言を受けて、特に第3ステージ(ステージ3)、感染拡大が多いところについては、しっかりした対応を取るようにと言われているので、今、ちょうど関係閣僚が集まって会議をして帰ってきたところだが、西村(康稔・経済再生担当)大臣を中心に、それぞれの首長と、これから調整をするところだ」

   その上で菅氏は、

「分科会で、移動については感染(のリスク)は低いという提言を、かつてしていただいている」

と主張。それでも感染が広がり、12月15日まで札幌市・大阪市での事業を停止し、12月17日まで東京都で65歳以上の高齢者と基礎疾患を持つ人の利用自粛を求めていることを念頭に、

「そうしたことも含めて、それぞれの自治体と調整していく」

と話した。菅氏が言及した「感染が低いという提言」が、どの提言を指しているかは不明だが、7月16日に分科会が出した「GO TO トラベル事業に関する政府への提言」の、

「当面の間は、積極的に東京都から他の道府県への移動及び他の道府県から東京都への移動を支援するGO TO トラベル事業を行うことについては延期すべきである」
「上記以外のGO TO トラベル事業については実施しても差し支えない」

という部分を念頭に置いている可能性がある。

「なかなか私の口からは言いにくいことだが...」

   30分にわたって配信された番組の中で、菅氏は2回にわたって「アクセルとブレーキ」という言葉を使い、経済重視路線を鮮明にした。

   1回目が、個人への一律10万円や中小企業向けの持続化給付金の再度の給付の可能性について問われ、

「こうしたことについても、状況をみながら適切に対応していきたいということで、予備費をしっかり取ってある」
「厳しい状況になったら大変なことになりますから、そうしたものに機動的に対応できるような対策、まあそういうことです」

などと答弁した直後。次のように批判に反論した。

「ここはなかなか私の口からは言いにくいことだが、やはり経済が悪くなると、暮らしを守ることができなくなるし雇用を守ることができない。よく『アクセルとブレーキの両方を踏んでいておかしい』と言われるが、過去のいろいろな、例えばアジア通貨危機のようなときはどうだったとか、失業率が増えるとどういう状況になるとか、そうしたものを私どもはいろいろな専門家の方からから学習しながら対応を取っている」

   2回目は、「対応が後手後手に回っている」という司会者の指摘に対して「よく言われている」と反応したのに続く形で、

「経済を壊してしまったら大変なことになる。そこをアクセルとブレーキを踏みながら、今やっている。そこについて色々なご批判もされているが、ここはやはり、命と暮らしという、その中で...(対応していく)。暮らしが壊れたら、やはり地域そのものも壊れてしまう」

などと主張。さらに、GoToトラベルの運用をさらに見直す可能性にも言及した。

「今、いつの間にかGoToが悪いことになってきてしまったが、先ほども言ったが、移動では感染はしないという提言もいただいていた。だが、分科会の委員の皆さんからここで提言をいただいているので、そうしたものを受けながら、できるものはそれこそ、スピード感を持ってやっていきたい」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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