2024年 4月 19日 (金)

プラトン、ニュートン、ヒノノニトン... YouTubeの6秒広告に込められた「バズりの法則」【#令和のヒット】

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韻研究家「ラップとしては最も低いレベルですが...」

   それにしても、なぜこの動画はここまで話題になったのだろうか。

   日野自動車が「トントントントン ヒノノニトン」のリズムをCMに起用したのは2014年から。担当者は「2トントラックがあることをわかりやすく伝えるために、リズムに乗せるアイデアを採用しました」と話している。耳に残るキャッチコピーであることは言うまでもないだろう。

   しかし、なぜこの動画がバズったのかを聞いてみると、

「それが分かれば仕事が楽なのですが、何が当たるか判断するのは難しいです。わからないため、今回も8種類制作しています」(日野自動車・広報担当)

との回答。たしかにそうだ。

なぜ「偉人篇」だけがバズったのか...(日野自動車YouTubeチャンネルより)
なぜ「偉人篇」だけがバズったのか...(日野自動車YouTubeチャンネルより)

   J-CASTニュースは20年1月8日、動画SNSデータ分析ツール「kamui tracker」を提供するエビリー(東京都渋谷区)のマーケティング担当者を取材。なぜこの動画がバズったのか見解を聞いた。

「SNSで拡散したくなる1つの要素として、『ツッコミ』たくなることが必要かと思います。この動画は意図的に情報量を減らしていると思われ、説明は不足し、意味もよくわからない。でも韻を踏んでいておもしろい。『広告なのにこれでいいの』『何を言っているかわからない』というツッコミを狙っていると思います。プラス、自分がみても面白いし、人が見ても面白いだろうということで拡散されたと思います」

   さらに担当者は、他のYouTube広告と比較し、

「YouTube広告はブランディングよりも商品を買わせようという意図のものが多いです。その中で、このようにモノをまったく売ろうとしていない、ちょっとよくわからない広告というのは、かなりインパクトがあり、頭に残ると思います。YouTubeだとこういうタイプの広告はあまりないので」(エビリー・マーケティング担当)

と分析している。

   担当者の話にも出たように、「プラトン ニュートン ヒノノニトン」は韻を踏んでいるのも特徴の1つ。『声に出して踏みたい韻』(オーム社)の著者である韻研究家・細川貴英さん(34)にも見解を聞いたところ、

「ラップとしては最も低いレベルですが、わかりやすいのだと思います。ジョイマン的な面白さがありますね。ただ、ラッパーだったらもっと母音を合わせてきます。『揖保乃糸(いぼのいと)』みたいに」

と回答。お笑いコンビ・ジョイマン高木晋哉さんのネタ「ありがとうオリゴ糖」が一時ブームになったのと、通ずるものがあるのかもしれない。

   なお「偉人篇」の広告配信は20年12月23日で終了。動画は日野自動車の公式チャンネルから見ることができる。

(J-CASTニュース編集部 笹木萌)

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