ネット発のヒット曲「うっせぇわ」が、ミュージカル界隈でもじわじわとブレークしている。俳優がミュージカルの登場人物に扮して「替え歌」でカバーした動画が再生数を増やしている。圧の強い歌詞とロックなサウンドは、実はミュージカルとの相性も良いようだ。エリザベートが「うっせぇわ」を歌う?「うっせぇわ」の原曲はボカロPのsyudouさんが作曲し、Adoさんが歌唱して2020年10月23日にリリースされた。この曲を替え歌でカバーしたのが、ミュージカルで活躍する俳優の可知寛子さんだ。21年2月3日、自身のYouTubeに「エリザベートの気持ちになって『うっせぇわ/Ado」歌ってみた』」というタイトルの動画をアップ。ミュージカル「エリザベート」の主人公・オーストリア帝国皇后エリザべートに扮し、うっせぇわの替え歌を披露している。歌の主人公が劇中のエリザベートになっているほか、ストーリーや劇中の小ネタがしっかり反映されており、本作のファンならクスリとしてしまう替え歌が好評。可知さんの表現力もあって話題となった。なお可知さん本人も東宝版「エリザベート」に出演経験がある。「必ずツボる事間違いなしです!」同じくミュージカルで活躍する俳優で歌手のソニンさんも3月15日、「【ソニン】マルグリットが「うっせぇわ」を歌ったら【マリー・アントワネット】ミュージカル」という動画を投稿。ミュージカル「マリー・アントワネット」で実際に演じたマルグリッドになりきった替え歌でカバーしている。マルグリッドは平民で、王妃のマリー・アントワネットとは対照的に困窮する平民側を代弁する人物。ソニンさんは、「冒頭の歌詞にマルグリットのスピリットを感じビビっと来て、気がついたら歌詞の替え歌を書き始めてました(笑)」「MAを観て頂いた方には必ずツボる事間違いなしです!!!!!」とコメント。ミュージカルファンからも「マルグリットの心情と重なる部分多くて爆笑です」「所々に入るMAのセリフが好きすぎます...歌詞も演技も凄すぎてリピ確定です」などのコメントが寄せられており、好評だ。エリザベートは宮廷社会でも自由奔放な生き方を譲らず自己主張を貫く様がミュージカルでは描かれ、「マリー・アントワネット」のマルグリッドはフランス革命を起こす民衆の怒りを代弁していて、「うっせぇわ」との親和性は高い。キャッチーなタイトルと直情的な歌詞が与えるインパクトは確かにミュージカル的である。ミュージカル界にも「ロック・ミュージカル」というジャンルがすでに定着し、楽曲にロック要素が取り入れられて久しい。「エリザベート」「マリー・アントワネット」に限らない「うっせぇわ」とミュージカルの化学反応に期待してもよさそうだ。(J-CASTニュース編集部 大宮 高史)
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