2021年 9月 21日 (火)

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
LINE個人情報問題は「想定内」だった 自治体での利用は徹底的な議論を望みたい

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   LINEユーザーの個人情報が中国で閲覧可能となっていた問題について、政府の個人情報保護委員会、総務省や金融庁が報告を求めたり、省庁や自治体が利用を停止したりするなどの動きになっている。今回の問題点はどこなのか、政府の情報管理や個人情報の保護はどうあるべきか。

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新型コロナワクチン接種の予約システムにも活用されるLINE

   はじめに、個人情報に関する日本の法制度を見ておこう。まず、憲法で「通信の秘密は、これを侵してはならない」(21条)。電気通信事業法で「電気通信事業者の取扱中に係る通信の秘密は、侵してはならない」(4条)、個人情報保護法で「個人情報取扱事業者は・・・あらかじめ本人の同意を得なければ、個人データを第三者に提供してはならない」(23条)。なお、事業者による個人情報漏洩そのものに対する直接の罰則はない。

   今回、LINEに対して、政府の個人情報保護委員会は個人情報保護法、総務省は電気通信事業法、金融庁は資金決済法それぞれに基づき、報告を求めている。

   LINEは、国内ユーザー8600万人といわれ、日本で一番人気のあるSNSだ。2021年3月1日、LINEはソフトバンクグループのZホールディングスとの経営統合をしたばかりだ。なお、これまでも、韓国資本との繋がりから、情報が国内に流出しているとの指摘を受けたこともあった。

   国内利用者が多いので、地方自治体でも各種行政申請に利用していることもある。最近では、LINEを活用した新型コロナワクチン接種予約システムを提供しているので、これを利用する地方自治体も少なくない。

   個人情報保護法で、情報の国外移転や外国での閲覧などには利用者の同意が必要としている。加えて個人情報保護委員会は移転先の国名を規約などに記すよう求めていたという。

なぜ今頃になってマスコミが騒ぎ出したのか

   ちなみに筆者は、LINEを使っていない。その理由は、数年前にアプリ利用時の規約などを読んだら、容易に第三者が筆者の携帯機器の内部情報を入手できるかに読めたので、そこに含まれている筆者の知人情報の流出などを考慮して使わなかった。今回のLINEの報道を見て、筆者として驚きはなく、想定内のことだ。

   多くの先進国では、「通信の秘密」は基本的人権として保護されているが、その根拠はプライバシー(個人情報)保護である。しかし、それらの法制度は自国民の保護のためであり、他国民を配慮することはない。実際、テロ対策などの名目により、他国民の情報を傍受、監視することは日常茶飯事だ。

   今回は、中国で閲覧可能だったというが、他の国であっても、日本人の基本的人権の侵害という点では同じだ。さらに、中国であれば、安全保障上の懸念もでてくる。

   個人で、規約を読んで情報流出を了解の上で利用するのであれば、本人の自由ということもあるが、地方自治体で利用することは、はたしていいのか。この機会に、今回の政府での調査を踏まえ、国民の間での徹底的な議論を望みたい。

   それにしても、なぜ今頃になってマスコミが騒ぎ出したのかがわからない。しかも、どこに問題点あるのかがぼやけている。そもそも記者の多くは、ろくに規約を読まずにLINEを利用しているからだ。無料にはそれなりの対価があるはずで、LINEのような無料ソフトでは利用者の情報になることが多い。ここに今回の本質的な問題点がある。

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