2021年 5月 15日 (土)

上野「ストリップ摘発」で抗議声明 「性表現の自由を守りたい」日本芸術労働協会が訴えた理由

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ストリップのあり方も変わっている

   木村さんはダンスや演劇の実験的なパフォーマンスの構成・演出を手掛けてきた。また学生時代からストリップなどの性産業にも関心を持っており、ストリッパーの知人もいるという。カルチャーの一種として性産業を見てきた。

   ストリップ業界の関係者やファンは、入場料を払った観客のみが鑑賞し、ダンサーと観客が合意の上で興行が行われており、かつ観客も性的満足のみを求めているものではないから、ストリップは公然わいせつ罪にはあたらないと主張する。

   「被害者が誰もいないのに、取り締まる必要がどこにあるんでしょうか?」と話す木村さんだが、司法の論理は異なる。

   ストリップは風営法により届出による営業が認められているものの、公然わいせつ罪によりしばしば摘発の対象になってきた。公然わいせつ罪は不特定または多数の人が認識できる状況下で、わいせつな行為を行うこととされる。

   ストリップは劇場という特定の空間内で、観客も多くても100名程度の小規模な場で行われてきた。しかし司法の判例では劇場内であっても「不特定または多数の人」が対象で、かつダンサーの演技が観客の性的興奮を刺激するという理論でストリップに公然わいせつ罪を適用してきた。

   1950年11月21日に最高裁で判決がなされた事件においては、劇場内でダンサーが全裸となって演技を続けた事案を「観客の性欲を刺激し羞恥の感情を起こさせるに十分」であるとして公然わいせつ罪の適用を認めている。以後の判例においても、ダンサーの行為や劇中の演出が観客の性欲を刺激するという考え方で公然わいせつ罪を適用している。

「ダンサーが舞台上で性行為に及ぶ『まな板ショー』どの過激な演出は現代では衰退し、ショーとしてエンタメ性を高めようとしています。女性の観客も増えて、性的欲求のみをそそる芸能ではありません。地上波のドキュメンタリー番組で取り上げられるなど、少しずつ社会的に受け入れられてきました。今回の摘発はそうした時代の変化を考慮しておらず、また性表現に対する社会的偏見を助長する行為だと考えています」(木村さん)

   ストリップというカルチャーに対し、猥雑な芸能というイメージを行政や社会が抱いたままではないかとも推測し、業界が委縮してしまうことを懸念している。

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