2022年 12月 1日 (木)

豪雨被害にコロナが追い打ち JR九州、過疎ローカル線存亡の危機?赤字47%拡大の区間も

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   コロナ禍で全国の交通機関の利用者が大幅に減少するなか、コロナ前から続いた豪雨被害で経営体力を奪われているのがJR九州だ。

   JR九州が2021年8月24日に公表した路線別の20年度の利用状況によると、九州新幹線の利用は半減し、在来線の「幹線」と呼ばれる路線は3割減。さらに、利用が少ないローカル線の収支は全路線が赤字に転落。赤字幅も拡大した。収支の公表は18年度分から始まった。沿線自治体と現状共有し、利用促進のきっかけにしてもらうことが狙いだ。さらに状況が厳しくなったことで、路線の存続の可否をめぐる議論が活発化する可能性もありそうだ。

  • JR九州が収支を公表した区間のうち、最も赤字の悪化幅が大きかったのが指宿枕崎線の指宿~枕崎間。19年度の3億5400万円より47.5%多い5億2200万円の赤字を出している(写真は指宿枕崎線の山川駅)
    JR九州が収支を公表した区間のうち、最も赤字の悪化幅が大きかったのが指宿枕崎線の指宿~枕崎間。19年度の3億5400万円より47.5%多い5億2200万円の赤字を出している(写真は指宿枕崎線の山川駅)
  • JR九州が収支を公表した区間のうち、最も赤字の悪化幅が大きかったのが指宿枕崎線の指宿~枕崎間。19年度の3億5400万円より47.5%多い5億2200万円の赤字を出している(写真は指宿枕崎線の山川駅)

九州新幹線は利用半減、幹線も3割減

   路線の利用状況は、1日1キロあたりの平均利用者数(輸送密度)でカウントする。とりわけ減少幅が大きかったのが九州新幹線(博多~鹿児島中央)で、19年度は1万8445人だったものが20年度は8235人と、55.4%減少。県境をまたぐ移動が減ったことが影響したとみられる。

   在来線も大幅に減少。鹿児島本線(門司港~八代、川内~鹿児島)では、3万3740人が2万3187人に、31.3%減少している。日豊本線(小倉~鹿児島)は8638人が5448人と、36.9%減った。

   これらの路線のうち、2000人未満と利用が少ない線区については収支も公表された。公表の対象になったのは19年度より4区間多い14路線24区間。ただ、そのうち肥薩線の八代~人吉など5区間は豪雨による運休区間があるため公表が見送られ、実際に公表されたのは19区間だった。19年度と比較可能な15区間のうち、14区間で輸送密度は減少し、12区間で収支が悪化した。

博多駅の利用者も「3割減」

   19年度は1000万円の黒字を出していた宮崎空港線(田吉~宮崎空港)が4700万円の赤字に転落。全19線区が赤字になった。公表された線区の赤字額の合計は66億5500万円で、19年度の52億7000万円から26.3%悪化した。

   最も赤字が多かったのは日豊本線の佐伯~延岡間で、7億8700万円。7億4600万円から5.5%増えた。最も悪化幅が大きかったのは指宿枕崎線の指宿~枕崎間。19年度の3億5400万円より47.5%多い5億2200万円の赤字を出している。

   JR九州では利用が少ない路線のうち、7区間の沿線自治体と、利用促進に向けた検討会を立ち上げている。今後、地元負担の増加を含めた存続のあり方について議論が起こる可能性もありそうだ。

   路線の利用者数が減少した分、駅の利用者も減っている。九州で最も利用者数が多い博多駅(福岡市)の1日あたりの平均乗車人員は19年度の12万6627人が20年度は8万7674人と、30.8%減少。2位の小倉駅(北九州市)、3位の鹿児島中央駅(鹿児島市)といった拠点駅も、3割程度減少している。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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