2024年 4月 25日 (木)

本が取れない?図書館の「高層書架」に疑問噴出 利用法は「ダミー本を入れる」...その意図とは

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   2022年2月開館予定の東京・中野区立中野東図書館が、建設中の館内の様子をツイッターで紹介したところ、そのデザインが物議を醸すことになった。写真には3階層にわたる吹き抜けに設置された巨大な本棚が写っていた。

  • 中野東図書館の吹き抜けに作られた本棚
    中野東図書館の吹き抜けに作られた本棚
  • 中野東図書館の吹き抜けに作られた本棚

3層貫通の本棚、使用法と安全性は?

   中野坂上駅近くに22年2月1日開館予定の中野東図書館は、21年10月31日限りで閉館した本町図書館・東中野図書館の代替として開館。複合施設「みらいステップなかの」の7階から9階のエリアに立地する。

   開館前から運営されている中野東図書館のツイッターアカウントは11月7日、7階から9階にかけての吹き抜け部分に設置された本棚の写真を投稿。あわせて、

「7階の天井から9階にかけて吹き抜けになった場所に、高い高い本棚があります(高所恐怖症のスタッフは見上げるだけでもドキドキです......)。あと86日で開館日」

   と伝えた。投稿で紹介された書架のデザインに、「地震が来たら大惨事になりそう」「これは飾りですか?」などの批判が多く寄せられた。

   こうしたネット上での指摘を受けてか、中野区は11日に区立図書館ホームページで「吹抜書架の取扱いと安全対策」を掲載し、安全対策などについても説明している。当該の書架(本棚)では上層部では紙あるいは発泡スチロールで作られたダミー本を配置する計画で、また落下防止ネットを設置する。

   書架の8階・9階部分は裏面も書架になっており、裏側には表面のダミー本の実物を配架する予定とのことである。

「ツイッター上での説明不足で不安を与えてしまった」

   J-CASTニュースは16日、このような書架デザインになった意図などを取材した。図書館を管理する中野区教育委員会事務局子ども・教育政策課は、書架の意図について、

「フロアの中で開放感を出し、かつ収蔵する本の紹介を有効に行いたいと考え、区の中で協議の結果このデザインに決定しました

   と話す。書架の8階・9階部分の裏面を本棚として、表面と同じ蔵書を配置するのも、本に親しみを持ってもらう意図があったという。また、

「公表しました通りの安全対策も行ってまいりますが、11月7日の投稿については、ツイッター上での短い内容だったこともあり、安全に関する十分な説明が不足して、投稿をごらんの皆さまに不安を与えてしまったと考えております」

   とネット上の反応を受け止めている。

   中野区の区立図書館は指定管理者制度を採用しており、中野東図書館も含めた区立図書館の運営は株式会社ヴィアックスと紀伊国屋書店の共同事業体により行われる。

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