2024年 4月 25日 (木)

夏冬パラ二刀流は「体が限界を迎えるまで」 北京スノボ小須田潤太が右足切断後に知った「楽しさ」

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二刀流の切り替えに困難はないのか?

   陸上を始めて5年。2021年の東京パラリンピックに陸上100メートルと走り幅跳びで出場を果たした。走り幅跳びは自己ベストを更新する5メートル95を記録し、7位入賞。試合後には「楽しかった」と満面の笑み。堂々の初出場だった。

「陸上は世界選手権やアジア選手権にも日本代表として出場したことがなくて、初の世界の舞台がパラリンピック。選手村に入っていくところから会場のスケールの大きさが分かったし、スタジアムに入るだけでプレッシャーを感じました。それまでの試合とはレベルが違う会場の雰囲気。今までの人生で経験したことがない衝撃を受けました」

   東京パラリンピックは、小須田の心にさらに火をつけた。「東京で表彰台は狙っていなくて、入賞を目標にしていました。ただ、実際に入賞はできたけど、世界トップレベルとの差を肌で痛感しました。トップは、目指さないと絶対に手が届かない。そしてトップで戦った方がさらに楽しいはず。どんなにつらい練習でも、あれだけの経験ができるなら、次のパラリンピックに向けて頑張れる」。競技へのモチベーションは一層高まった。

東京パラリンピックに出場した小須田潤太
東京パラリンピックに出場した小須田潤太

   余韻に浸ってはいられない。東京が終わると、北京まで半年。再びスノーボードに打ち込む。夏から冬、冬から夏、そしてまた夏から冬へ。気になるのは二刀流の切り替え。困難はないのか。

「最初はやっぱり苦しみます。特に冬から夏に切り替える方が大変。筋肉の使い方が真逆なんです。陸上はフラットな地面から反力をもらって、自ら推進力を生み出していく。スノーボードは傾斜がある雪の上を、道具を使って滑り降りていく。踏ん張り続ける力を使う一方、太ももを上げないし、地面から力をもらうという動きが少ない。

だから、久々に陸上の板バネを履くと体に物凄く衝撃が走ります。最初は全然走れない。継続的に刺激が入っていないと体が忘れてしまうんです。走るという行為は、すごく体に負担がかかるんだと感じます」

   夏から冬への切り替えには「そこまで労力はかからない」が、逆に冬から夏へ切り替える際、完全に体の状態を戻すには「1~2か月かかる」という。

「冬から夏への切り替えの方が今でも課題です。冬の期間でも陸上の板バネがついた義足を履くのを、週1回以上は継続していきたい。スノーボードで海外遠征した際も、走れなくてもジャンプするだけでいい。この習慣は今後両方の競技を続けていく上で必要になってくると思っています。逆に、東京を目指していた去年から一昨年はスノーボードの時間を大幅に減らしました。夏の期間にスノーボードの練習をしても、プラスの要素が少ないと思ったので」
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