2024年 4月 26日 (金)

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
全面解除の「まん延防止」に効果はあったのか?

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確実に経済を締め上げる

   一部の研究では、ワクチンの効果とともに、人流抑制策が感染の抑制に効かなくなっているというものもある。たしかに、そうであれば、最近における人流と感染の抑制にはあまり関係がないのではないかという一般の感覚とも整合的だ。筆者としては、自ずと感染がおさまるメカニズム(変異株の自己崩壊など)があり、もともと人流抑制の効果はあってもたいしたことなかったのではないかと、斜めから冷やかしてみている。

   というのは、筆者はコロナにおける新規感染者数について、これまで予測しており、ほとんど当てている。ちなみに、今回のオミクロン株について、1月上旬に「ピークは2月上旬、そのとき新規感染者数は1日10万人程度、オミクロン株の致死率は0.1~0.2%程度」とある地上波番組で公言しているが、ほぼ当たりだろう。これまでの予測も当たっているが、それらは人流抑制の効果なしで行っている。その意味から、人流抑制策は感染抑制には大した効果がないが、確実に経済を締め上げると思っている。

   専門家なら誰でもいいが、人流があるにもかかわらず感染が減少する理由を明確に説明してもらえれば、筆者も納得するのだが、そうした説明は寡聞にして知らない。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。


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