射程伸びたのは軽くしたから? 北朝鮮「新型ICBM」発表に「フェイク」の可能性

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日本政府「現時点で分析に変更はない」

   KBSテレビは、大きく2つの問題を指摘している。一つ目が発射時の気候の問題。北朝鮮は、「17」は平壌国際空港から発射したと主張しており、国営メディアが公表した発射時の写真は晴れていた。だが、発射された3月24日午後の平壌の天気は曇りだった。さらに、写真に映り込んだ発射台の方向から分析すると「(撮影されたのは)午前である可能性が高い」と指摘している。つまり、北朝鮮は実際の発射場面とは別の写真を公表した可能性がある。

   2つめが実験失敗からの間隔が短すぎる点だ。韓国政府は、北朝鮮が22年に入ってから3回にわたって「17」の性能実験を行ったとみている。特に3回目の3月16日の実験では、空中爆発を起こしたと分析している。そのわずか8日後に再実験を行うのは難しい、という見立てだ。KBSテレビは、

「失敗した場合、設計データを検討して原因を把握するのに2~3か月かかる」

という識者の分析を紹介している。

   ただ、KBSテレビは、北朝鮮が「15」を「17」に偽装したとの見方には懐疑的な声も伝えている。北朝鮮の国営メディアは、金正恩総書記が「『火星砲-17』型の試射を断行することに関する親筆命令を下した」と報じている。この点を理由に、

「いくら北朝鮮が統制社会であっても、金正恩が直接指示したことが偽であったことが広がれば体制に大きな影響がある」

という指摘だ。

   今回のミサイルは移動式発射車両(TEL)から発射されており、聯合ニュースは「北朝鮮がTELを利用してICBMを発射したのは今回が初めて」だと指摘している。仮に発射されたのは「15」であったとしても、機動性が増して事前の探知が難しくなったという点では、脅威は増している。

   松野博一官房長官は3月28日午前の記者会見で、韓国の報道に対する見解を問われ、

「政府としては飛翔の高度などを含め、諸情報を総合的に勘案した結果、今般発射されたミサイルは、新型のICBM級の弾道ミサイルであると考えており、現時点で分析に変更はない」

と答弁している。

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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