握り寿司に「セトリ」あり、しいたけ→カツオで「美味しさすごい」 店主明かす組み合わせの工夫

   「しいたけの握りを食べた後カツオを食べると化学的に美味しさがすごい」−−。

   ある寿司屋での体験を驚きをもって伝えるツイートが注目を集めている。料理の提供順によって、うま味の相乗効果を生み出しているという。店主にこだわりを聞いた。

  • マシーナリーとも子さんのツイッター(@barzam154__)より
    マシーナリーとも子さんのツイッター(@barzam154__)より
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  • マシーナリーとも子さんのツイッター(@barzam154__)より
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「寿司の順番というのはセトリ」

   話題となっているのは、マシーナリーとも子さんによるツイートだ。VTuberとして活動するほか、寿司を題材にしたバトルコメディ漫画「スシシスターハンター」を「少年ジャンプ+」(集英社)で連載している。

   マシーナリーさんは2022年4月14日、

「今日感心したのはしいたけの握り(地獄のようにうまい)を食べた後カツオを食べると(中略)化学的に美味しさがすごいというやつ」

とツイートし、写真を添付した。程よく焼かれたしいたけの握りと、綺麗な赤色をしたカツオの握りが写されている。投稿文では「店主さんが『寿司の順番というのはセトリ(編注:セットリスト=音楽ライブにおける曲順)なんですよ』と言っててものすごくおもしろかった」とも伝える。

   投稿は2万9000件以上のリツイートや12万9000件超の「いいね」を集め、「やっぱ料理って化学なんやな」「これは知らなかった」「奥深いな!」といった声が寄せられている。

   マシーナリーさんが訪れたのは銀座の人気店「鮨處やまだ(すしどころ やまだ)」。握り15貫で税込1万6500円のコースを提供している。

   店主の山田裕介さんは18日、J-CASTニュースの取材に対し、生しいたけとカツオにはそれぞれ、組み合わせることで相乗効果をもたらすとされる「グルタミン酸」と「イノシン酸」といううま味成分が含まれていると説明した。

   山田さんは試食など工夫を重ねることで、より良い組み合わせを見つけてきたといい、

「やっていくうちに蓄積されてきたって感じですね。それで後から、『あ、そういう流れの方がやっぱ美味しかったんだね』と化学的に検証されていく」

という。投稿が注目されていることに特段の感情は無いとしながら、「でも反響があるってことは良いことなんじゃないんですかね」と所感を述べた。

客を飽きさせないためのセトリ

   ほかにも寿司のセトリについてのこだわりを、

「簡単な話で言うと...甘いものをずっと食べ続けると飽きてくるじゃないですか。だから途中でしょっぱいものを挟むと、また食欲が湧いてくるみたいな感じの構成をしていくんです」

と伝え、「温かいものが出た後は冷たいもの、脂っこいものの後はあっさりしたものとか」と補足。大枠を組んだあとは「全体的な流れを考えて出していく」という。

   コースで提供するにあたっての苦労は、「その日その日でお客様は変わって参りますので、そのお客様に一番ヒットする平均値を出すのが難しい」。山田さんは次のように話す。

「満席だとすると、8人のお客様の平均値を出さなきゃいけない。あんまり偏りがないようにしなきゃいけないっていうのはあります」

   このようなこだわりを持ちながら、客に対して積極的に説明することはしていないという。山田さんは「感じ方はやっぱりお客様それぞれでございますので、お客様に委ねるようにしています」とし、

「美味しいって言ってもらえたら、説明したりとかはしていますけど。そのまま何も感じずに流れる方もいらっしゃるので。そこにわざわざ説明しなくていいのかなと思ってます」

と持論を述べた。「あんまり説明すると頭で美味しくなっちゃうんで」ともいう。

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