2024年 4月 19日 (金)

国民民主、参院選公約で「原発再稼働」推進継続 「与党寄り」指摘に「我々がケツを叩いている」

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   国民民主党は2022年5月20日、夏の参院選に向けた公約の骨子を発表した。大筋は21年衆院選向けの公約を踏襲し、キャッチフレーズとして「給料を上げる。国を守る。」を掲げた。

   「国を守る」の意味は「経済、エネルギー、食糧、防衛等を含めた広義の安全保障政策」。エネルギー政策の一環として、安全基準を満たした原発の再稼働を引き続き盛り込んだ。新規建設には否定的だが、後日発表される「公約集」の各論では、小型モジュール炉(SMR)によるリプレースにも踏み込む方針。このことで、エネルギーの安定供給に加えて「国富や技術力が海外に流出する」ことを防げるとして、「『給料が上がる経済』にも資する」としている。

  • 参院選に向けた公約を発表する国民民主党の玉木雄一郎代表(左)と大塚耕平政調会長(右)(写真は国民民主党に配信動画から)
    参院選に向けた公約を発表する国民民主党の玉木雄一郎代表(左)と大塚耕平政調会長(右)(写真は国民民主党に配信動画から)
  • 参院選に向けた公約を発表する国民民主党の玉木雄一郎代表(左)と大塚耕平政調会長(右)(写真は国民民主党に配信動画から)

「『給料が上がる経済』を実現」の優先順位を上げる

   公約は(1)「給料が上がる経済」を実現(2)「積極財政」に転換(3)「人づくり」こそ国づくり(4)自分の国は「危機から守る」(5)「正直な政治」をつらぬく、の5つの柱で構成。

   大筋で21年秋の衆院選向けの公約を踏襲したが、ロシアによるウクライナ侵攻による物価高が進み、実質賃金の減少が加速していることから、2番目の項目だった「『給料が上がる経済』を実現」を最初の項目にして優先順位を上げた。

   (4)の安全保障分野では、記述がより具体的になった。21年秋の公約では「国民と国土を『危機から守る』」だったが、今回は「自分の国は『危機から守る』」になった。内容も、21年秋は

「経済、エネルギー、食糧、防衛等を含めた広義の安全保障政策に万全を期し、国民と国土を守り抜きます」

と総論を述べるにとどめていたが、今回は骨子の冒頭部分で

「安全基準を満たした原子力発電所は動かします。電力とエネルギーの安定供給を確保し、国富や技術力が海外に流出することを防ぎます」
「『戦争をさせないための抑止力』と攻撃を受けた場合の『自衛のための打撃力(反撃力)』を整備するため、必要な防衛費を増やします」

と、分野別に具体的に記述した。

「与党が必要なことをちゃんと言わないので、我々がケツを叩いている」

   玉木雄一郎代表は記者会見で、「より安全性の高い技術が出ており、技術の維持確保という観点」から、SMRへのリプレースが必要だと説明した。ただ、政府が21年に決めた「第6次エネルギー基本計画」にリプレースは盛り込まれておらず、政府・与党よりも踏み込んだとの見方もできる。

   記者の「『与党寄り』という文脈だとも捉えられかねない」という指摘には、玉木氏は「与党が必要なことをちゃんと言わないので、我々がケツを叩いているというぐらいの感じだと思いますね」。リプレースが必要な理由として(1)老朽化したものを使い続けるのは問題があり、より安全なものがあればリプレースした方がいいのは当然(2)技術力や人材を維持していくことが必要、という2点を挙げた。

   その上で、リプレースが必要な理由を次のように主張した。

「新増設はしないという原則は維持しているが、今あるものをより安全なものにリプレースしていくことは、さすがに政治判断で決めていかないと...。誰も判断しないということでは、もう毎日毎日毎年、技術と人が流出していくというのは国益に反すると思うので、今回明確に提案させていただいた」

(J-CASTニュース編集部 工藤博司)

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