2024年 4月 25日 (木)

「帰る希望捨てていない」 ウクライナから避難、生活のため飲食店開いた一家が語る母国への思い

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「自分たちで出来ることをやりたい」

   「Babusya REY」を開業しようと提案したのは、ヴィクトリヤさんの夫である小笠原裕典さん(30)の母だ。小笠原さんは「ぼくたちが保証人になっており、身寄りがある人にはお金が出ないんですよね 。生活していくためにはお金が必要です」と話し、生活を守るためにも店を開くことを提案したのだという。各社報道によれば、国内に身元保証人がいないウクライナ避難民には出入国在留管理庁から1日最大2400円が支給されるが、身元保証人がいれば対象外となる。

   エウゲニアさんらも「みんなにサポートしてもらってばかりではなくて、自分たちで出来ることをやりたい」という気持ちがあった。小笠原さんはウクライナ料理を食べて「自信を持ってこれだったら日本の人に勧められる」と確信したと言い、料理店に決めたという。

   小笠原さんの母が経営するバーの場所を借りて、ナターシャさんが仕込んだ料理を、ヴィクトリヤさんやエウゲニアさんら4人が店で調理している。「Babusya(バブーシャ)」はウクライナ語でおばあちゃんという意味で、バーの店名「REY-II」の「REY」を繋げた。ヴィクトリヤさんは「もっとたくさんの人にウクライナ料理を味わってほしい」と話し、小笠原さんは「日本にウクライナ料理が根付けば、もっと日本の食文化が豊かになるんじゃないか」と話す。

   エウゲニアさんらには「もし帰れるようになるのであればウクライナに帰りたい」という思いもある。アントンさんは「店で働く時間は『家族を支える時間』です」と話し、元々船乗りをしていたため、本当は自分の仕事を見つけたいのだという。小笠原さんも「まずは今みんなが生活をしていくために出来ることをやっている」と話している。

   エウゲニアさんらの生活については、日本に避難してから都営住宅に入居し、平日は週に4回、語学学校に通っている。長男のチョーマくんも5月から近所の中学校に通っているという。今後どうなるか分からない状況の中で不安を抱えつつも「帰る希望は捨てていない」と、エウゲニアさんは話した。

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