米連邦議会のペロシ下院議長が台湾を訪問し、中国政府が激しく反発を続けている。特に中国外務省の華春瑩報道局長はツイッターで「空中戦」を展開。2022年8月3日深夜から4日未明(日本時間)にかけて、ペロシ氏批判を21回にわたって連投した。その中には、「中国は被害者」で「自衛のために行動せざるを得なくなった」といった主張も展開されており、軍事的威嚇を強めていることを正当化。さらに、米国側が事前の中国側の警告を「真剣に受け止めようとはしなかったようだ」として、「相手が理解できる方法と『言語』で『話す』ことを強いられた」とも。激しい言葉遣いによる情報発信を釈明した。王毅外相「必ず頭が割れて血を流すだろう」中国軍は8月2日に台湾の北、西南、東南の各海空域で「合同海空演習」を行ったのに続いて、8月4日、台湾周辺の海空域で軍事演習を開始。演習は、台湾を取り囲む6か所の海空域で7日まで続く予定だ。情報発信の言葉も激しさを増している。とりわけ表現が厳しかったのは王毅国務委員兼外相が8月3日朝に出した談話で、「台湾問題で挑発して面倒を引き起こし、中国の発展と成長を遅らせて平和的台頭を台無しにしようとするのは完全に無駄なことであり、必ず頭が割れて血を流す(編注:「ひどい目に遭う」の意)だろう」などと警告した。華氏は連続ツイートの中で「ペロシ議長の台湾訪問の本質は、断じて民主主義についてではなく、中国の主権と領土の一体性についてだ。彼女が行ったことは、間違いなく民主主義の支持や擁護のためではなく、中国の主権と領土の一体性に対する挑発と侵害だ。ペロシは大げさな演技をしているが、打撃を受けているのは中米関係と台湾海峡の平和と安定だ」などとペロシ氏の台湾訪問を批判した。「相手が理解できる方法と『言語』で『話す』ことを強いられた」一方で、中国側の行動を釈明するようなツイートもある。例えば、「中国は複数のチャンネルと様々なレベルを通じて、ペロシの台湾訪問に断固反対する姿勢を繰り返し明確にしてきたが、米国側はそのメッセージを真剣に受け止めようとはしなかったようだ。だからこそ、中国は相手が理解できる方法と『言語』で『話す』ことを強いられた」というツイート。激しい表現を使っていることへの理解を求める狙いがあるとみられる。さらに、「米国は挑発者であり、中国は被害者だ。米側が台湾と結託して先に挑発を行ったのに対し、中国は自衛のために行動せざるを得なくなった」とも主張。台湾周辺で行っている軍事演習を正当化した。(J-CASTニュース編集部 工藤博司)
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