2024年 5月 29日 (水)

母は「ウクライナ人」だった... 死去のゴルバチョフ氏、体現した両国のねじれ

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ロシアには多数のウクライナ人

   ゴルバチョフ氏は成績が優秀で、難関のモスクワ大学に進んだ。在学中に1学年後輩のライーサ・チタリェンコさんと出会い、1953年、学生結婚した。ゴルバチョフが一目ぼれした。

   『ゴルバチョフ』は、若い2人には共通点が多かった、と書いている。共に貧しい階層の出身者だった。肉親が、1930年代に吹き荒れた「粛清」の被害にもあっている。そして、「ウクライナ」。ライーサさんの父も、ゴルバチョフの母もウクライナ人だった。

   しかも、ライーサさんの父は、ウクライナ北部のチェルニゴフ生まれ。そこは、なんとゴルバチョフ氏の母の一族がかつて住んでいた場所だ。2人の「ルーツ」は重なっていた。

   現在のウクライナでは、国民の約2割がロシア系とされている。ロシア語が話せる人は国民の半数を超えるという。

   旧ソ連は多民族国家だったが、現在のロシアにも、182の民族が住む。ロシア人(民族)が全人口の77.71%を占めるが、同じ東スラブ人のウクライナ人の割合も1.35%。全体の3位となっている。ゴルバチョフ氏の家族史は、こうしたロシアとウクライナの強い結びつきが凝縮されている。

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