舟和の芋ようかん、商品ページで「美味しそうに見せる気ない」? シンプルさSNSで注目...店に理由を聞いた

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   老舗和菓子店・舟和本店(東京都台東区)の公式サイトが大きな注目を集めている。

   商品ページには、箱詰めされた芋ようかんの写真が並ぶ。商品を立体的に見せたり、飲食風景を伝えたりするのでなく、ただ整然と並ぶ芋ようかんが真上から写されている。この様子が「美味しそうに見せる気がない」などとツイッターで話題になっている。

   J-CASTニュースの取材に対し、舟和本店は2023年3月24日、「実際の箱詰をありのまま表現した」と述べる。

  • 舟和本店公式サイト
    舟和本店公式サイト
  • SNSで注目を集めた芋ようかんの商品ページ
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「写真がマズかろうと、舟和の芋ようかんは間違いなく美味しい」

   ツイッターで3月20日、「舟和の芋ようかん」がトレンド入りを果たした。ツイッターで「マジで一ミリも美味しそうに見せる気がない舟和の芋ようかんの公式サイトでも見るか」と言及があり、話題になった。

   黄色い長方形の芋ようかんが敷き詰められた写真のシンプルさが注目を集めた。まるで計算ソフト「Excel(エクセル)」で作成した表のようだと例える声もある。

「大好きなのに確かに美味しそうに見えない」
「算数の教科書みたいに殺風景ww」
「黄色に線引いただけで草生える」

   またファンからは「味に絶対の自信があるんだろな」と推測する声も上がった。

「味に自信があるから見た目は無骨でも良いってことでしょうね」
「美味しい上でこの最低限過ぎる情報の感じ、めちゃくちゃセンスあって好きだわ」
「ホームページの写真がマズかろうと、舟和の芋ようかんは間違いなく美味しいのよ」

   舟和本店は1902年に創業し、芋ようかんを考案したことなどで知られる。取材に対し、商品写真は2010年から採用しており、過去にも「エクセルのようだ」といった声があったと明かす。

美味しそうに見せる視点が欠けていたことについては反省

   発端のツイートは24日までに4万300件を超えるリツイート、15万100件を超える「いいね」が寄せられる大きな反響があった。舟和本店の公式ツイッターアカウントもリツイートしている。

   舟和本店によれば、拡散された当初は「『やる気がない』と思われていると改めて悩んだ」。しかし投稿者含め、商品について言及したツイッターユーザーの多くは、「自信があって良い」「美味しい」などのコメントも残していた。舟和本店はこうした声から元気をもらったという。

「皆様から元気を頂きリツイートをさせていただきました。こうした観点からのお声はなかなか伺えるものではなく、秀逸なツイートをしてくださり心より感謝しております」

   美味しそうに見せるという観点が欠けていたことについては反省しなければならないと受け止める。しかし現状の梱包方法や商品写真を変更する予定はない。

「ご愛顧を下さるお客様に箱の体積ぴったりの、より多くの量の芋ようかんをお届けしたいという弊社の考えもございますので、当面はこのままの形でやらせていただきたくお願いを申し上げます」

トレンド入り翌日は注文が殺到

   公式サイトの商品ページは、商品パンフレットのウェブ版という位置づけで、中身と本数をわかりやすく伝えることを意識している。

「弊社商品をご存知ないお客様の中には芋ようかんが個包装されているとか、煉羊羹のような形をイメージされるケースがありましたので、実際の箱詰をありのまま表現したということです」

   社内でも「シンプルでありのままが一番」、「舟和らしい」という感想が寄せられているそうだ。

   最も人気な芋ようかんは5本詰めで、2位は8本詰め、3位は10本詰めだという。舟和本店は「生菓子で日持ちが短いため、食べ切れるサイズを選ばれているのだと思います」と推測する。通販の芋ようかんの消費期限は到着日含め2、3日だ。

   舟和本店によれば、ツイッターで話題になったことにより、翌21日のオンラインショップでの注文数は通常の翌10倍だったという。大きな反響が寄せられたことに感謝した。

「大きな話題になったこと、温かいご意見が多かったことに驚き、愛情をもって受け入れていただいておりますことに深く感謝致しております」
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