2024年 4月 26日 (金)

「冷凍ギョーザづくり失敗」呟いたら...メーカーからまさかの連絡 フライパン回収を打診、開発熱意に反響「味の素の本気を見た」

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   ロングセラー冷凍食品「ギョーザ」などを手がける味の素冷凍食品(東京都中央区)の公式ツイッターの投稿が注目を集めている。

   あるツイッターユーザーが冷凍餃子の調理に失敗したことを報告すると、同社ツイッターが製品の研究・開発目的のため、調理に使ったフライパンを回収したいと打診。研究熱心な姿勢に「味の素の本気を見た」「商品開発にかける情熱すげぇ」と称賛の声が集まった。

  • 味の素冷凍食品の「ギョーザ」(ニュースリリースより)
    味の素冷凍食品の「ギョーザ」(ニュースリリースより)
  • 実際のリプライ(味の素冷凍食品公式ツイッターより)
    実際のリプライ(味の素冷凍食品公式ツイッターより)
  • 味の素冷凍食品の「ギョーザ」(ニュースリリースより)
  • 実際のリプライ(味の素冷凍食品公式ツイッターより)

着払いで回収呼びかける

   味の素冷凍食品のギョーザは1972年発売。22年9月の同商品のニュースリリースによると、これまで50回改良を繰り返し、現在では水と油を使わずに、誰でも羽根つき餃子が作れることを売りにしている。冷凍餃子市場国内トップシェアを誇る看板商品だ。

   そんな餃子をめぐり、23年5月中旬にあるツイッターユーザーが投稿した内容が話題を呼ぶ。投稿者は、皮がフライパンにくっつき、焦げ付いてしまった餃子の写真を投稿。これを見た味の素冷凍食品の公式ツイッターは以下のような返信を送った。

「突然のご連絡を申し訳ありません。フライパンで弊社のギョーザを焼いたところ、張り付いてしまったとのツイートを拝見いたしました。弊社は、誰でも失敗なく、羽根つきギョーザが焼き上がる感動をお届けすることを目指しております」
「大変勝手なお願いでご面倒おかけいたしますが、このたび調理にご使用いただきましたフライパンを、着払いにてご提供いただけないでしょうか?焦げ付いてしまうフライパンの状態を確認させていただき、研究・開発に活用させていただきたく考えております」

   ギョーザ開発に余念のない味の素冷凍食品の姿勢は「凄い執念」「餃子ガチ勢にも程があるww」「味の素の本気を見た」「商品開発にかける情熱すげぇ」などと話題に。メーカーから直接返信を受け取った投稿者は、驚いたようなリアクションとともに、フライパンの提供に前向きな反応を見せていた。

「実際にフライパンを提供いただいて検証を行い、はりつきの原因を調査する」

   J-CASTニュースは5月17日、味の素冷凍食品戦略コミュニケーション部の担当者に話を聞いた。担当者によると、同社のツイッターでは日ごろから自社商品に関する購入客のツイートをエゴサーチしてきたといい、今回の投稿もその中で発見したものだったとする。

   ギョーザがうまく焼けないという購入客のツイートは過去にもあり、そうしたユーザーには「フライパンの状態をお伺いして上手く焼けるコツやポイントなどをリプライでお返事を差し上げていた」という。そして、今回の投稿に対しては、他のユーザーからフライパンの状態や火の強さなどをアドバイスする声があがっていたことに着目。

   同社の研究・開発部門と情報共有した上で、「ユーザーさん同士のやり取り以外で、その他の焦げ付いた要因の可能性の有無も含めて、検討する中で、『実際にフライパンを提供いただいて検証を行い、はりつきの原因を調査する』という話に至り、大変勝手なお願いながら、ツイート主の方へフライパンのご提供のお願いをさせていただいた」とした。

   投稿が反響を集めたことを、担当者は次のように受け止める。

「1972年に『ギョーザ』を発売した当時より50年以上、感動で笑顔をお届けするべく "永久改良"に取り組んでおります。ありがたいことに今ではギョーザ売上日本一の製品として多くのお客様にご愛顧いただいております。一方で、『ギョーザ』の年間購入率は2割程度とまだまだ製品をお届けできていない方は多くいらっしゃいます。まだ手に取っていただけていない方にも、『ギョーザ』の焼き上がりに感動し、笑顔をお届けできるよう、これからも現状に甘んじることなく、よりよい製品づくりに精進して参りたいと考えています」

冷凍ギョーザ調理、失敗する理由は?

   味の素冷凍食品のギョーザは「油・水なしで誰が調理しても食欲そそるパリッパリの羽根ができる」(公式サイトの製品ページより)ことを売りにしている。一方で、フライパンの状態によってはうまく調理できないこともあると、担当者は説明する。

   具体的には「長年使い込んでテフロンが剥がれてしまっているフライパンで調理する」「鉄製フライパンで油を敷かずに調理する」「ステンレス製のフライパンで加熱ムラが生じてしまう」といったもの。こうした失敗ケースは同社の調理テスト・検証で確認しているという。

   また、フライパンの材質以外にも、フライパンを温めてからギョーザを並べる(通常の調理手順は火をつける前にギョーザを並べる)ケースでもうまく焼けない場合があると説明。さらに「製品の保管状態(ご購入後、ご家庭の冷凍庫での保管期間が長いなど)、調理時の状態(冷凍庫から『ギョーザ』を取り出してから時間が経ったため"羽根の素"が解凍されてしまっているなど)、焼く個数、火加減、フタの状態、蒸し焼き時間、焼き上がりから盛り付けまでの時間などによっても、うまく焼けない場合がございます」とした。

   担当者は「『ギョーザ』は最後のひと手間をお客様の手に委ねている製品」だとし、「お客様に調理できるポイントをお伝えするとともに、引き続き製品の品質を向上させることに取り組んでまいりたい」と伝えた。

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