「最初は物珍しさで人もお金も集まるだろうが...」 NPB2軍参戦内定、新潟アルビレックス橋上監督が語る「継続への課題」

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   プロ野球のオーナー会議が2023年9月29日に行われ、24年シーズンから日本野球機構(NPB)の2軍戦に参加する新規球団としてBCリーグの新潟アルビレックス・ベースボールクラブとハヤテ223(ふじさん)が内定した。11月のオーナー会議で正式に承認される見込みで、新潟はイースタン・リーグ、ハヤテはウエスタン・リーグに参加する予定だ。

   今回の2軍拡大は球界のすそ野を広げる目的がある。2軍のリーグ戦限定参戦となり、1軍への昇格はないという。巨人、楽天などでコーチを務めた経験を持つ新潟の橋上秀樹監督(57)は、J-CASTニュースの取材に対し、独立リーグのチームがNPBの2軍戦に参戦する意義や、継続にあたっての課題について語った。

  • 新潟アルビレックスの橋上監督(新潟アルビレックスBC公式インスタグラムより)
    新潟アルビレックスの橋上監督(新潟アルビレックスBC公式インスタグラムより)
  • 新潟アルビレックスの橋上監督(新潟アルビレックスBC公式インスタグラムより)

「NPB関係者にプレーを見てもらえる機会が圧倒的に増える」

   橋上氏は参戦するメリットとして「より質の高い選手が集まりやすい環境になる」と説明した。アルビレックス新潟がNPBに参戦の申し出をして以降、外国人選手の代理人やアマチュア選手からの売り込みが多くなっているという。

   NPB球団に選手を送り込むことを最大の目的としているチームにとって、NPBの2軍戦参戦は大きなメリットがあるという。

   橋上氏は「NPB関係者にプレーを見てもらえる機会が圧倒的に増えます。NPBの2軍選手と対戦することで、選手はNPBのスカウトにより正しい評価をしてもらえる。そういった意味では選手にとってありがたいことですし、魅力的な球団になると思います」と語った。

   新規参入にあたり課題となるのが、選手集めと環境整備だ。現在、30人超の選手を50人近くまで増員する計画で外国人選手の補強も計画しているという。選手のスカウトは編成部長を中心に、20年まで巨人の編成に所属していた野間口貴彦氏(40)が担当する。NPB球団を戦力外となった選手も補強の対象となり、今オフの各球団の動向に注目しているという。

「最初のうちはNPB球団で戦力外となった選手を取っていかないとレベルをキープするのは難しいですし、来季戦っていく上で現状では心許ないところがあります。戦力外になったとはいえ、ある一定のレベルにありますし2軍では力を発揮しやすい。独立リーグはNPBを目指している選手が入ってくるリーグ。来季終わってうちのチームから何人もドラフトにかかることがあれば、さらに有望な選手が入ってくるでしょうし、来季は非常に大事な1年目になります」

「野球を通しての地元新潟の活性化がメインに」

   さらに「選手の数と試合数を考えれば事業規模が大きくなるので予算がかかります。設備面にもお金をかけて整えていかないといけない。最初だけで終わらないように財政を含めてしっかり球団経営をやっていかなければならない。最初のうちは物珍しさもありファンや地元のスポンサー企業の注目も高いので人もお金も集まるでしょうが、それを継続していかないと意味がない」と語った。

   シーズン中は監督を務める一方で、オフには営業として新規スポンサー獲得のため地元企業を回るという。今オフも「営業部長」として企業回りを予定している。

   橋上氏は「私たちのチームは野球を通しての地元新潟の活性化がメインになります」とし、「子供たちのためにというのもリーグの理念に掲げており、新潟の高校野球のレベルが上がってきたという評価も頂いている。少しずつ根付いてきていると感じます。来年は今まで以上に注目されると思います。NPBの2軍戦で勝つのはなかなか難しいかもしれませんが『新潟もやるな』というところを見せたい」と意気込みを語った。

   橋上氏は楽天のNPB新規参入に携わっており、田尾安志初代監督の下でコーチを務めた。

   橋上氏は「楽天のチーム立ち上げの1年目がどれだけ大変だったか経験しているので決して楽観視はしていませんし、今回はさらに大変だと思います。今思えば1年目は勝てなくて1番大変でした。今は1年目が1番大変だったといえるようになればいいと思っています。2年目、3年目の方が辛いとなったら球団経営が危うくなってしまいます。地元の皆さんの期待に応えられるよう頑張っていきたいと思います」と語った。

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