「X」有料化に反対9割 それでも4人に3人が「今後も使い続けたい」理由

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   実業家イーロン・マスク氏に買収されて以降、有料化が取りざたされている「X」(旧Twitter)だが、ブルームバーグ(2023年10月18日付)などの報道によると、ついに10月18日からフィリピンとニュージーランドで、年間1ドル(約150円)を支払わないと投稿やDMが出来ない措置を試験的に始めた。

   もし、「X」の有料化が始まったら、どれだけ多くの人が「X」を使い続けるだろうか。モバイル専門の市場調査を行うMMD研究所(運営元はMMDLabo、東京都港区)が2023年10月18日に発表した「X(旧Twitter)に関する調査」によると、有料化しても4人に3人が使い続けるという。いったい「X」の魅力はどこにあるのか。調査担当者に聞いた。

  • 「X」は有料化しても使い続ける?(写真はイメージ)
    「X」は有料化しても使い続ける?(写真はイメージ)
  • (図表1)「X」の利用状況(MMD研究所の調査)
    (図表1)「X」の利用状況(MMD研究所の調査)
  • (図表2)「X」利用者が「X」をどう呼んでいるか(MMD研究所の調査)
    (図表2)「X」利用者が「X」をどう呼んでいるか(MMD研究所の調査)
  • (図表3)「X」利用者の有料化への賛否(MMD研究所の調査)
    (図表3)「X」利用者の有料化への賛否(MMD研究所の調査)
  • (図表4)「X」利用者の今後の利用意向(MMD研究所の調査)
    (図表4)「X」利用者の今後の利用意向(MMD研究所の調査)
  • (図表5)「X」の代わりに利用するSNS(MMD研究所の調査)
    (図表5)「X」の代わりに利用するSNS(MMD研究所の調査)
  • 「X」は有料化しても使い続ける?(写真はイメージ)
  • (図表1)「X」の利用状況(MMD研究所の調査)
  • (図表2)「X」利用者が「X」をどう呼んでいるか(MMD研究所の調査)
  • (図表3)「X」利用者の有料化への賛否(MMD研究所の調査)
  • (図表4)「X」利用者の今後の利用意向(MMD研究所の調査)
  • (図表5)「X」の代わりに利用するSNS(MMD研究所の調査)

「X」と呼ぶ人は1割以下、大半がまだ「Twitter」

   MMD研究所の調査(2023年9月29日~10月3日)は、全国の15歳~69歳の男女5000人が対象。

   まず、「X」を利用しているか聞くと、「利用している」(45.3%)と回答したのは半数近くに達した。年代別に見ると、10代(63.2%)が最も高く、次いで20代(59.3%)、30代(47.2%)と、若い世代ほど利用している結果になった【図表1】。

   面白いことに、「X」を利用している2265人に現在の呼び方を聞くと、「X」と呼んでいる人は1割以下(9.1%)しかおらず、「Twitter」と呼んでいる人が約7割(67.7%)もいた。残りは、旧式も新式も両方使うだった【図表2】。Twitterが「X」に名称変更をしたのは、今年(2023年)7月24日だが、まだまだ、旧式の名称に愛着がある人が多いようだ。

   さて、「X」を利用している2265人に、有料化に賛成か反対かと聞くと、「賛成」(4.6%)と「やや賛成」(8.7%)を合わせて、13.3%が賛成と答えた。圧倒的多くの約9割(86.7%)が反対だった。年代別に見ると、賛成と答えた割合は、20代(17.8%)が最も高く、次いで30代(14.7%)、40代(14.3%)と続く【図表3】。

   ところが、これほど有料化に反対する人が多いのに、「X」を利用している2265人に今後も「X」を使い続けるかを聞くと、「今後アクティブに利用したい」(16.1%)と「アクティブではないが利用したい」(58.7%)合わせて74.8%が「今後も利用したい」と回答した。特に10代は約9割(87.8)と、最も利用意欲が高かった【図表4】。

   では、有料化したら「X」をやめる人たちは、代わりにどんなSNSを利用するのだろうか。「ほかのサービスを利用する」と答えた309人に、今後最も利用する意向があるサービスを聞くと、「Instagram」(40.8%)がダントツに多く、次いで「YouTube」(25.6%)、「Threads」(12.3%)、「Facebook」(7.1%)、「TikTok」(6.5%)となった【図表5】。

地震や災害時の情報収集には最適のSNS

   J-CASTニュースBiz編集部は、MMD研究所の調査担当者に話を聞いた。

――今回の結果、どう受け止めていますか。

調査担当者 イーロン・マスク氏が懸命に「X」の名前をアピールしていますが、やはり「X」とアプリ名になじめていない人が多いのかなと思いました。結果として「X」の呼び方に移行している人は、全体の9.1%と1割に満たない結果となっており、ほとんどが「Twitter」と呼んでいます。

それは、「X」への名称変更あたりから、有料化が取りざたされたり、ブロック機能の廃止問題が出たり、さまざまな要素でユーザーの困惑も招いていますから、なじめないのだと思います。

――しかし、有料化に反対する人が86.7%もいるのに、それでも今後も使い続けたいという人が74.8%もいるのはどういうわけでしょうか。「X」のどこに魅力があるのでしょうか。

調査担当者 個人的には、地震や災害時に地方に住んでいる親戚の状況が心配になり、問題がないか調べたりする際はとても便利です。現地でしか分からない情報をいち早く得るには「X」が最適だと考えています。

「X」利用者の満足度調査をした結果では、サービスに満足しているユーザーは75.6%と、4人に3人が満足しています。サービス自体に不満がないから今後も使い続ける意向なのだろうと考えられます。

逆に、有料化したら「X」の利用をやめると答えたユーザーに、他にどのサービスで代用するかと聞くと、半分近い45.9%が「他のサービスは利用しない」と回答しました。このことからも「X」をやめたところで、「X」の代わりになるものが現状はないと考えるユーザーが多いのかと思われます。

「閲覧のみ」のユーザーは、有料化したらやめる

――あなた自身は、「X」が有料化したら使い続けますか。

調査担当者 私個人としては、やはりお金を払ってまで「X」は利用しないと思います。私の「X」の利用方法は、投稿はせずに閲覧のみです。情報収集源として以外の利用がありません。地震や災害の時の情報収集を除けば、普段の生活上、「X」の利用をやめても問題はありません。

ちなみに、今回の調査で「X」の使い方を聞くと、50代~60代は「閲覧のみ」が多いですが、10代~30代は「閲覧も投稿もしている」人が多いという結果になっています。

私のように投稿をしない人は、有料化したら利用をやめると思いますが、投稿もしているユーザーにとっては、利用し続けるうえで有料化はかなり反対であり、今後「X」に対する不満につながるのではないかと考えられます。

(J-CASTニュースBiz編集部 福田和郎)

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