プロ野球、オリックス・バファローズと阪神タイガースによる日本シリーズは、これまで1勝1敗。「関西ダービー」と言われて注目度は高く、メディアの報道では「オリックス」「阪神」という文字が躍っている。今さらながら、「タイガース」の親会社は阪神電気鉄道。「バファローズ」の親会社はもちろん、オリックスだ。では、オリックスとはどんな会社なのか。同社公式サイトの「企業概要」のページを見ると、「多角的金融サービス業」とあるが、これだけだと分かりにくい。詳しく調べてみよう。自動車、航空機、投資、環境エネルギー、銀行...先述した「企業概要」ページの「オリックスの事業を見る」のリンクをクリックすると、具体的な事業が書かれたページに飛んだ。同社が1964年に「リース事業からスタートして隣接分野に進出」したことが明示されている。図表には、最初に取り組んだ事業として、機械設備のリースや、測定機器・情報関連機器のリースおよびレンタルとある。71年には船舶のリースや投資、アセットマネジメントに進出。2年後の73年には自動車事業としてレンタカーやカーシェアリング、メンテナンスリース、車両管理サービスを、また同年に住宅ローンやカードローン、法人向け融資といった事業を始めている。以後スタートした事業は、以下の通りだ。1978年:航空機(航空機リース、航空機投資、アセットマネジメント)1983年:投資(プライベートエクイティ投資、事業再生、債券投資、ベンチャーキャピタル)1986年:不動産(不動産開発・賃貸、施設運営、アセットマネジメント、不動産投資顧問)1991年:生命保険1995年:環境エネルギー(廃棄物処理・リサイクル、省エネルギー対策、再生可能エネルギー、電力事業、蓄電サービス)1998年:銀行1999年:サービサー(債権回収、不良債権投資)2010年:資産運用2016年:コンセッション(空港運営、上工下水処理場運営)確かに「多角的金融サービス業」とある通り、事業は多岐にわたる。CMに川栄李奈さんや上白石萌音さん起用ここで、オリックスがプロ野球の球団経営に乗り出した経緯をおさらいしておこう。1988年、まだ「オリエント・リース」という社名だったオリックスは10月19日、阪急ブレーブス(当時)の買収に名乗りを上げた。翌89年から球団は、「オリックス・ブレーブス」として公式戦に参加。1995年にリーグ優勝(当時はオリックス・ブルーウェーブ)、翌96年には日本一に輝いた。2005年には、近鉄バファローズとの合併により「オリックス・バファローズ」が誕生した。なお先述した買収表明日の1988年10月19日は、近鉄バファローズが最終戦でパ・リーグ優勝を逃した、世に言う「10月19日決戦」の日だったのも、なにかの因縁か。一方で本業では近年、芸能人を使ったテレビCMも目立つ。2017年から、俳優の川栄李奈さんを起用して水族館やシェアオフィスの運営といった自社の事業を紹介。21年には俳優の上白石萌音さんを起用し、サステナビリティーをテーマにしたCMを放送。そこでは再生可能エネルギーやリサイクル事業が紹介されている。このうち、再生可能エネルギーに関しては23年に大きな動きがあった。5月19日、オリックスと北海道電力は北海道伊達市における陸上風力発電事業について共同開発契約を締結。リリースでオリックスは「引き続き、風況調査や環境影響評価(アセスメント)などを共同で進め、事業性を検証してまいります」としている。(J-CASTニュースBiz編集部 坂下朋永)
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