2024年 5月 21日 (火)

「リモートワーク認める会社は成長性が高い」本当か 意思決定の遅さ、一体感の欠如指摘する有名経営者も

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   「働く場所に柔軟性のある企業は、成長性が高い」。そんなレポートが米国で公表されたと日経新聞などが報じている。リモートワークのコンサルティング会社スクープ・テクノロジーが、ボストン・コンサルティング・グループと共同で実施した調査に基づくものだ。

   米上場企業554社を対象に、勤務場所の方針と業績の関係を調べたところ、完全なリモートワークを含めた「柔軟な働き方」を認める企業の売上高は、2020年から2年間で年平均21%に達したという。コロナ禍の反動とはいえ、高い成長率だ。

  • コロナ禍で進んだリモートワーク
    コロナ禍で進んだリモートワーク
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「地域の制約なく人材を調達できる」のは確かだが

   一方、出社義務を設けている企業の伸びは、5%にとどまった。さらに、このうちリモートワークを全く認めない企業の成長率は同3%と低く、リモートワークと出社を組み合わせた「ハイブリッドモデル」の企業の成長率は同6%だった。

   リモートワークと業績との間には相関関係があるようだが、因果関係はあるのだろうか。調査元スクープの最高経営責任者(CEO)兼共同創設者であるロブ・サドウ氏は、リモ―ワークによって「従業員の満足度を高められ、定着率を上げる」ほか、「地域の制約なく必要な人材を迅速に調達できることが、高成長につながっている」と分析する。

   ただしこの点については、成長率が業界に依存しているという見方もある。同調査で、柔軟性が最も高いのは「テクノロジー」で97%。次いで「メディア&エンターテイメント」が92%、「保険」が91%、「プロフェッショナルサービス」と「金融業務」がそれぞれ87%と続く。

   一方、柔軟性が最も低いのは「レストラン&フードサービス」で70%。次いで「ホスピタリティ(人的接客サービス)」が56%、「教育」が54%、「小売&アパレル」が49%、「製造と物流」が48%と続く。

   前者の仕事群は、リアルな接触が必ずしも必要ではない仕事が多く、最新サービスを生み出すため成長率は高い。一方、後者の仕事は、人や物とのリアルな接触が不可欠な仕事なのでリモートワークは難しく、伝統的な業種であるため成長率は高くない。

   例えば、同じ保険業界で柔軟性が高い会社と低い会社を比べるのであれば、「経営者の考え方や会社の方針によって成長性が変わる」と言いやすくなるが、異なる業界をまたぐと、ややニュアンスが変わってくるのではないだろうか。

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