「建設業の2024年問題」残業上限規制を歓迎しない人々 40代、50代が過半数の切実な理由

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「事務作業専門部署の設置」が長時間労働是正に効果

   今回の上限規制の適用で、業界では「週休2日制」への移行が進むと予想されるが、上の世代の中にはこの点をネガティブに捉えている人も少なからずいるようだ。

   ウィルオブ・コンストラクションが全国の建設現場で就業する10~60代の技術社員490人を対象に行った調査(2023年11月29日付)によると、20代の85.3%が「残業規制を歓迎」する一方、40代では72.7%、50代では57.4%が「歓迎しない」と回答したという。

   歓迎しない理由のトップは「給与(残業代)が減る」(31.6%)で、次いで「仕事が終わらず、サービス残業が増える」(30.0%)、「工期・納期が間に合わなくなる」(22.0%)が続いている。

   残業代の問題は別としても、せめて「サービス残業」を根絶するための業務効率化、労働時間短縮は図りたいものだ。

   前出の建設業技術者センターの調査では、長時間労働の原因となった工事の発注者・工事種類は「都道府県・政令都市発注の土木工事」が45.7%と最も高く、次に「国発注の土木工事」が27.4%。建築工事より土木工事の方が長時間労働になりやすいようだ。

   長時間労働の理由で最も多かったのが「現場作業後の書類作成・整理に時間を要した」で61.2%と、意外にも書類仕事の負担が大きい。また、「当初から工期がタイトであった」が43.3%、「施工途中の協議に関する発注者の回答が遅れた」「天候等により現場で施工できる日数が少なくなった」が20%台で続き、受注仕事ならではの悩みは大きい。

   長時間労働是正の取り組みの効果が高かったと評価されたのが「現場の事務作業をバックアップする専門部署の設置」で65.1%。「ASPの活用」が63.0%、「電子小黒板」61.5%、「勤怠管理ソフト・アプリケーションの導入」が58.7%などデジタルツールの活用も効果が高かったという。

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