大晦日恒例のNHK紅白歌合戦のリハーサルが2023年12月29日、東京・渋谷のNHKホールで始まった。この日は出場歌手30組が報道陣の取材に応じ、番組への意気込みを語った。特にバラエティーに富んでいたのが、終盤の「今年の漢字を1文字で」という質問に対する答えだ。「躍」「歌」といった、比較的理由が想像しやすいものもあれば、「骨」「湯」「考」と言った意外なものも。「吐」を挙げた人もおり、報道陣を驚かせていた。「はく?」と確認されて「嘔吐の『吐く』です」リハーサルの取材は、NHKホールで行ったパフォーマンスを収録した動画を、記者がNHK放送センター内のスタジオで見る形式で行われた。NHKホールでのパフォーマンスとは別に、出場者の多くはスタジオで報道陣の取材に応じた。このスタジオ(413スタジオ)で取材できるのは一般紙やスポーツ紙、民放など記者クラブ加盟社が中心。J-CASTニュースなど、それ以外のメディアは、別スタジオ(110スタジオ)で413スタジオからの中継映像を見て取材した。30組のうち、日本人メンバーがいないSEVENTEEN、StrayKids以外の28組が「今年の漢字」を挙げた。最も記者を驚かせたのが初出場のano(あの)さん(年齢非公表)だ。いわく、「『はく』ですね」。記者が「はく?」と確認すると、anoさんは「嘔吐の『吐く』です。『ゲロチュー』(紅白で披露する『ちゅ、多様性。』の歌詞の一部)で1年突っ走ったのもあるし、もともとゲロが好きなので...」と明かした。報道陣からは「えええー!」「ちょっと聞いてもいいですか?その辺。好きっていうのは、どういう...?」といった声があがった。anoさんは、「好きっていうのは、昔から吐くということに対して執着があって...」として、最近リリースしたアルバムのタイトルが「猫猫吐吐」(ニャンニャンオェー)だと紹介。元々、この名前は自分がゲームで使っていたユーザー名でもあるとして、「すごく縁を感じる言葉だし、すごく物とか言葉を吐いた1年でもあったので...」などと説明すると、報道陣はあっけにとられていた。「もう23年ぐらいやってますけど、Perfume、初めて骨を折った、記念の年です」Perfumeは「骨」。「あ~ちゃん」こと西脇綾香さん(34)が尾てい骨を骨折したのが理由だ。「なんじゃろうね~。ツアー中に、私、新幹線に乗って移動してるときに、間違って強くガーン!って打っちゃって、尾てい骨を折ったんですよ。だから今年は『骨』です。Perfumeはもう23年ぐらいやってますけど、Perfume、初めて骨を折った、記念の年です」記者の「今も活動に支障はないですか」の声には、万全なコンディションをアピールしていた。「踊ってる分には全然大丈夫で、座ってる曲が、もし紅白さんでリクエストあったら、やばかったな~と思うんですけど...。(紅白で披露する)『FAKEIT』は、とにかくジャンプジャンプなので、跳ぶことはできます!」あいみょんさん(28)は「湯」。コンサートツアーのタイトルが「マジカル・バスルーム」で、その感想を「いい湯やったね」と表現していたことが理由だが、本人は「お風呂嫌いなんですけど...」と明かしていた。石川さゆり「本当に『ウェーイ!』って街中がなっていて、本当にこれでいいのかな?」石川さゆりさん(65)は「考」。その理由を神妙な表情で語った。主に、新型コロナウイルス感染症の5類移行後の生活様式の変化をめぐる問題意識を披露した。「コロナ禍が終わったわけじゃないんですけれども、本当に『ウェーイ!』って街中がなっていて、本当にこれでいいのかな?と思ったり。みんなが華やかに『元に戻った、戻った』って言いながら、戦争で大変な思いをしている地域も、もちろんあるわけで。それで私たちの生活だって本当に元に戻ったんだろうか?とか、いろんな税金が上がっていっちゃうんだろうか?とか。本当に今、考える?よーく考えろよ?って、本当にこれでいいのか?というのを。自分の幸せについてもそうだし、歌に対してもそうだし、みんなが今、どういうふうにあることが一番素敵なことなのかな?とか、『考える』というのを改めて。何かコロナ禍でみんな『耐えるんだ耐えるんだ』と言っていたときから、フワって解放されたような気もするけど、全てが解放ではなくて、しっかりと考えて私たちはこれから行動していかなきゃいけないことがあるのかな」(J-CASTニュース編集部 工藤博司)
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