飛行機事故もし遭遇したら...「手ぶらで」「ヒールも脱いで」脱出時のポイント

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   2024年1月2日17時47分頃に羽田空港で発生した日本航空(JAL)機の炎上事故に際し、飛行機事故に遭遇した際の避難の心得について関心が高まっている。

   国の運輸安全委員会では、「さてと、ヒコーキで行こう」という標語で、脱出スライド(シューター)利用時の注意点をまとめている。

  • 2日の事故。炎上するJAL機から脱出する乗客たち(写真:ロイター/アフロ)
    2日の事故。炎上するJAL機から脱出する乗客たち(写真:ロイター/アフロ)
  • 運輸安全委員会の啓発リーフレット
    運輸安全委員会の啓発リーフレット
  • 国交省ウェブサイトより、荷物の持ち出しに注意を呼び掛ける画像
    国交省ウェブサイトより、荷物の持ち出しに注意を呼び掛ける画像
  • 2日の事故。炎上するJAL機から脱出する乗客たち(写真:ロイター/アフロ)
  • 運輸安全委員会の啓発リーフレット
  • 国交省ウェブサイトより、荷物の持ち出しに注意を呼び掛ける画像

荷物持ち出しで負傷トラブルも

   炎上したのは、羽田空港のC滑走路に着陸した直後の日本航空(JAL)新千歳発羽田行きのJL516便(エアバスA350-900型機)だった。着陸時に海上保安庁羽田航空基地所属の「MA722=みずなぎ」と衝突し、みずなぎの乗組員5人が亡くなった。

   一方のJAL機は激しく炎上したが、乗客乗員379人全員が脱出スライドを使い脱出に成功したことは大きな注目を集めた。

   運輸安全委員会が2019年までにまとめた啓発用リーフレット「みんなで備えて、安全・安心な空の旅を!」によれば、同委員会の前身である航空事故調査委員会が発足してから、約1500件の航空事故等調査報告書を公表しており、うち14件で脱出スライドを使った非常脱出が行われているという。

   過去の非常脱出では、着地点で後続の乗客に突き飛ばされたり、他の搭乗者が持ち出したスーツケースに接触して負傷したりするなどのトラブルがあった。脱出スライドが損傷すると、他の搭乗者が脱出できなくなる危険もある。

   こうしたトラブルを避けるため、注意点を簡単にまとめたものが「さてと、ヒコーキで行こう」の標語だ。

・さ(さわがず、落ち着いて)
・て(てぶらで)
・と(とがったものはダメ)
・ヒ(ヒールも脱いで)
・コ(コの字ですべる)
・ー
・キ(機体から離れて)
・で(出る直前にふくらます)
・行こう

   非常時でも慌てず、パイロットやCAなど乗務員の指示に従うこと。逃げ遅れる可能性があるため手荷物は持たないこと。脱出スライドの損傷を防ぐため、ヒールなどの尖ったものを身につけないこと。着地点がよく見えるよう、コの字になるよう両手を前に出し、前傾姿勢で滑ること。爆発の危険などがあるため、機体から速やかに離れること。脱出の邪魔にならないよう、救命胴衣は出口で膨らませること。

飛行機に乗ったら、まずは安全のしおりなどをチェック

   合わせて、国土交通省サイト内のページ「非常脱出時における適切な対応のお願い」では、非常脱出時にはカメラ・ビデオ等による撮影の禁止をアナウンスしている。

   飛行機に搭乗したら、席に備え付けられた安全のしおりや安全ビデオ、客室乗務員によるデモンストレーションをよく見て、適切な避難方法を心に留め、万が一に備えることが重要だ。

   また、非常口座席に座る際や、乗務員から直接の依頼を受けた場合には、脱出の援助に協力してほしいともしている。

   非常時の依頼には、脱出スライドの下で降りてくる乗客を引き起こす、降りてきた乗客をできるだけ機体から離す、非常口ドアの開放などの手伝いをするなどがあるという。

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