「京葉線快速」急転直下の存続 自治体の首長が要請、鉄道ライターも驚く「この段階で変更は...」

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   この3月に迫るJR東日本のダイヤ改正で、廃止を予定していた京葉線の快速電車について、朝の上り(東京方面)2本の運行を継続する。同社千葉支社が明らかにしたと、複数のメディアが2024年1月15日に報じた。

   JR東は23年12月15日、京葉線の新ダイヤで、朝9時台までと16時以降の通勤快速と快速を廃止し、全て各駅停車にすることを発表。これに対し、利用客からは不満の声が上がったほか、自治体首長が快速の存続を要請する事態となっていた。

   結果、これらの声が通っていったん発表されたダイヤが修正される、非常に珍しい展開となったわけだ。

  • 土壇場で新ダイヤがひっくり返った!(写真はJR京葉線の車両)
    土壇場で新ダイヤがひっくり返った!(写真はJR京葉線の車両)
  • 土壇場で新ダイヤがひっくり返った!(写真はJR京葉線の車両)

市長、県知事が「廃止撤回」要請

   京葉線の「快速廃止」をめぐっては、23年12月28日にJR東日本千葉支社の土澤壇支社長が千葉市の神谷俊一市長を訪問。快速電車の廃止を説明するも神谷市長が廃止の撤回を要請した。24年1月4日に土澤支社長が千葉県の熊谷俊人知事を訪問した際も、同様の要請を受けていた。

   J-CASTニュースBiz編集部は、鉄道に詳しいライターの小林拓矢氏に、今回の顛末を分析してもらった。小林氏は、JR東側と自治体側の間での調整不足があった可能性を指摘する。

「鉄道のダイヤ改正では、場合によっては地元自治体などと事前に協議することもあり、とくに減便などの際にはある程度(話を)詰めておくものです。ダイヤ改正は発表時点でかなりのことを決めており、この段階で変更することは、ふつうはありません」

   今回のダイヤ改正が「快速と通勤快速を廃止する」という、沿線自治体や住民にとってかなりの不利益になる内容だった。そのために、「JR東日本千葉支社は、言い出しにくかったのではないでしょうか」と推測した。珍しい「撤回」という事態には、こう考える。

「ダイヤ改正内容の変更は異例ではありますが、JR東日本千葉支社が地元を軽視しているような印象を強く感じさせてしまったため、反発を受けて方針転換になったのは仕方がないと思います。地元の反発の声を聞くしかない状況にまで追い込まれたと言えるでしょう」

「そもそも、京葉線のダイヤはもっと工夫すべき点があります」

   併せて小林氏は現在の京葉線のダイヤについて、「そもそも、京葉線のダイヤはもっと工夫すべき点があります」と語る。

「多くの私鉄のように、速達型列車と各駅停車列車を上手に組み合わせて便利に利用してもらう、というものに(現状は)なっていません」

   つまり、京葉線の多くの列車が快速と各駅停車の乗り継ぎがしづらい状況にあるとの指摘だ。これらの列車が待ち合わせできる状況を増やすべく、快速と各駅停車を「もっと増やすべきです」と、改善策を提言した。

(J-CASTニュースBiz編集部 坂下朋永)

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