またも外国人の迷惑配信者が日本に現れ、問題となっている。今度はInstagramで95万人超のフォロワーを持ち、TikTokでも人気のドイツ人の動画クリエイターだという。バク宙のギネス世界記録を持つ17歳のドイツ人青年彼が2025年4月17日、SNSに投稿した映像は、JR山手線内から始まる。多くの乗客が搭乗するなか、スーツケース状のスピーカーを持ち込んだ彼は、突然爆音の音楽を流す。振り返る観客を背に、渋谷駅のホームへ降り立つと、周囲の混雑も顧みず、バク宙を決めて立ち去る。周りを考えない、迷惑極まりない行為だ。このドイツ人青年はなんと17歳。昨年、30秒間で立った状態から19回のバク宙を決め、ギネス世界記録にも登録されている、世界的に知られたインフルエンサーだ。したがって、TikTokでは日本人にも熱心なファンが存在する。実際、事前にSNSで予告して代々木公園を訪れた映像には、彼を取り囲んで歓声をあげながら追いかける大勢の若者の姿がおさめられている。さらには渋谷のスクランブル交差点で、信号が青の間にスピーカーの上からバク宙。さらに同じく渋谷のセンター街でもバク宙を行い、得意げに歓声を受ける姿も確認できる。それと反比例するかのように、この映像を見た日本のSNSユーザーからは、「ホンマに迷惑」「誰か厳しく教育的指導をしてきてほしい」「日本人そろそろ本気で怒っていいんじゃない」などと多数の怒りの声があがった。その結果、東京都庁前を訪れてバク宙をする彼のスピーカーに水をかけたり、日本の配信者が逆に撮影を阻止する映像アップしたり、彼が予告した撮影先の警察に事前通報するなど、対抗措置をとる人々が続々と現れたのだ。こうしたことから、ドイツ人青年はInstagramのストーリーで謝罪の意を表明した。海外では迷惑配信者の逮捕事例があるところがその翌日、再び丸の内線内で撮影を行ったことで、またもや炎上。ドイツ大使館に通報するSNSユーザーも現れた。加えて、離日後にアップされた渋谷ハチ公前での映像には、警察から注意されている姿も映されていた。これでは反省の色がないと思われても仕方がない。騒動を受け、ドイツ大使館からはX上で「ドイツ人観光客の皆様/観光地の魅力を大切にしていくために、マナーを守り、配慮ある行動をお願いいたします。/地域の環境やそこに住む人々への『敬意』を忘れずに旅行を楽しみましょう」という注意喚起が行われた。かねて、こうした行為がアジア各国で行われていることが問題となっているが、フィリピンではついに逮捕者が出ている。ロシア人の配信者ヴィタリー・ズドロベツキー容疑者は、ビルの警備員への迷惑行為や、レストランから業務用扇風機を盗んだなどの罪でフィリピン警察に逮捕された。これを受けて、マルコス・ジュニア大統領は動画を発表。「フィリピン人の親切と謙虚さを悪用した行為」と非難し、話題となっている。バズって収益をあげたいと考える迷惑配信者の行動は、アジアにおいてますます過激化している。国際問題になりかねない暴挙を止めるためにも、こうした配信者の問題を広く共有し、注意喚起をし続けていくことが重要だろう。
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