姿を消した「オールガラス製のラムネ」、30年ぶり復活! 苦節12年...開発の苦労をメーカーに聞いた

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   かつて主流だったにもかかわらず、今ではほとんど見かけないラムネ瓶がある。飲み口まで全てガラスで出来ている、というものだ。じつは、現在のラムネの飲み口はプラスチックになっていることが大半。オールガラス瓶を見る機会は激減した。

   だが、この珍しい瓶のラムネがついに復活する。販売元は、ラムネ生産世界1位をうたう飲料メーカー・ハタ鉱泉(大阪市)。12年もの開発期間を経て、新たに生まれ変わったオールガラス瓶ラムネ「HATA PREMIUM」を2025年5月12日から販売する。

   同社は、1996年を最後にオールガラス製のラムネの生産を打ち切った。つまり、復活は約30年ぶりだ。再び開発を始めたきっかけは何だったのか。なぜ12年もの時間がかかったのか。同社に詳しい話を聞いた。

  • ハタ鉱泉のプレスリリースより
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  • ハタ鉱泉のプレスリリースより
  • ハタ鉱泉のプレスリリースより
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オールガラス瓶の生産に12年を要したワケ

   オールガラス瓶のラムネ「HATA PREMIUM」は、ハタ鉱泉が25年4月23日に発表した新商品。かつて生産を打ち切ったこの瓶を新たに復活させるという。1989年に国内での生産を打ち切った同社は、台湾の企業に生産を委託。だが、これも96年が最後になった。

   なぜ生産が縮小したのか。J-CASTニュースの取材に応じたハタ鉱泉の担当者は、昔のオールガラス瓶は回収が必要だったことが影響していると説明する。瓶の回収があることで、限られた地域でしか展開することができなかったのだ。その代わりに、回収の必要がない瓶が主流になっていった。

   同社が、一度生産をやめたオールガラス瓶の開発を始めたのは2013年のこと。当時の思いについて、担当者は次のように語る。

「飲み口までガラス製の懐かしのラムネ瓶で飲むラムネを現代の若い世代にも体験してほしい、またオールガラス瓶ラムネを知る世代にも味わっていただき全世代に瓶ラムネの良さを再認識してもらいたい」

   だが、この開発には12年もの歳月が必要あった。具体的な課題は2つ。(1)中身を充填する生産ラインを問題なく流れる形状になっているか(2)瓶の安定生産が可能なのか――という点だ。

   特に飲み口部分はミリ単位での修正が必要で、何度も試行錯誤したという。飲み口の形状が決定した後、テストを実施。だが、ラムネの栓であるビー玉が落ちる。それを再び修正する。しかし、またビー玉が落ちてしまう......こうしたトライアンドエラーを繰り返した。

   また、常温で保管するので、夏場の高温と冷却時の温度の差にオールガラス瓶が耐えられるよう考慮しなければならない。また、ビー玉で栓をするのに不可欠な「パッキン」に関する課題もあった。パッキンとは、液漏れを防止する効果などがある。中身を充填し、日にちが経っても問題が発生しないかと確認する地道なテストを重ねたと説明している。

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