これは便利!万博「非公式マップ」で待ち時間を確認 公式では未実装...開発経緯を聞いた

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「待ち時間が長すぎる」という来場者の声がきっかけ

   このサイトを開発したきっかけは何だったのか。万博が開幕した後から「待ち時間が長すぎる」という来場者の声を多く目にしたと取材に明かす。

「その中で、『リアルタイムで待ち時間を確認できる仕組みがあれば、もっと効率的に回れるのに』という意見も多く、自分自身も『そんなシステムがあったら便利だな』と強く感じていました。運営の効率化にもつながり、来場者の満足度も上がるのではないかと思ったのです」

   だが、一から全てを開発するのは困難だとして当初は断念していた。こうした中、別の開発者による万博マップのオープンソースプロジェクトを発見。このソースコードをベースにするなら開発できるかもしれないと決意した。この別の開発者が構築したものは「膨大な地点データの収集・整理作業」が必要なのだという。

   開発期間はたったの約7日間。幾つかの開発上の課題があったとしつつも、5月17日にサイトを公開することができた。「少し無理をしたせいで、現在は腰が少し痛いです」と取材に明かしている。

   マップで待ち時間が分かる仕組みはこうだ。パビリオンの前に並んだ人が、現在の待ち時間を選択した上で投票する。こうして多くの情報が共有されることによって、待ち時間がリアルタイムで確認できるようになる。万博では事前予約が必要なパビリオンも多いが、そういったパビリオンでも投票できる。予約時間どおりに入館できないケースを想定しているようだ。

   この仕組みでは、悪意をもってウソの情報を投票することも可能だ。yumeの猫さんは、こうした事態を防ぐことは難しいとしつつ、多くの人が利用することで、その影響は小さくなるとみている。

「多くの大阪万博の来場者に積極的に投票してもらうことで、古い・不適切な投票データが相対的に埋もれていき、より実態に近い待ち時間表示が実現されると考えています。このように、ユーザー参加型のシステムとして、皆さんの協力によって成り立つ仕組みになっています」

   yumeの猫さんは、このサイトを通じて、待ち時間を確認したいというニーズに応えたいとしている。そして、「この取り組みが、少しでも万博の運営改善や来場者の体験向上につながれば嬉しい」と語った。

   今後も機能を拡大していくという。トイレの利用状況を確認できたり、現在の情報が古いことを示すアイコンを表示したり、万博の開館時間外には投票できないように制限を設けたりする機能などを検討しているとのことだ。

   このマップのベースとなった開発者からも反応があったという。「リリース後、原作者の方からも『あら。本家より進化してる!驚き!』というコメントをいただき、とても嬉しかったです」と取材に語った。

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