ヤクルトが2025年5月29日の中日戦(神宮)で攻守に圧倒され、0-6と完敗。借金が今季ワーストの14にふくらみ、5位・中日と5ゲーム差に広がった。
村上宗隆、長岡秀樹、塩見泰隆...主力を欠く非常事態
序盤で試合が決まった。先発の小川泰弘が3回までに6点を失う乱調。村上宗隆、長岡秀樹、塩見泰隆と主力を欠く打線も迫力不足が否めない。
好機をなかなか作れず、7回無死一、二塁の好機は山田哲人が三ゴロ併殺打。続く代打・サンタナも空振り三振に倒れ、スタンドに詰めかけたヤクルトファンからため息が漏れた。
21、22年のリーグ連覇が過去の栄光になろうとしている。
23年以降は中日と2年連続最下位争いで5位とふるわず、高津臣吾監督就任6年目の今季も白星を積み重ねられない。まだシーズンは100試合近く残っているが、戦力を考えると巻き返しへの道は険しい。
スポーツ紙デスクは、次のように指摘する。
「メディアの関心事は次期監督に向かっています。このまま下位に低迷すれば、高津監督は今年限りで退任になるのが既定路線です。後任が誰になるか。内部昇格なら嶋基宏ヘッドコーチ、池山隆寛2軍監督が有力候補になりますが、嶋ヘッドコーチは低迷の責任を取ってチームを離れる可能性がある。今のチームには厳しさが足りないので、OBの宮本慎也氏に白羽の矢を立てることも考えられます」
チーム再建は一朝一夕で成し遂げられない。今年が3年契約最終年となる村上がポスティング・システムでメジャー挑戦することが濃厚となっており、4番打者の育成もポイントになる。
早くもストーブリーグの様相を呈しているヤクルトだが、高津監督は意地を見せられるか。
(中町顕吾)