留学生ビザ取り消し vs 天安門事件 駐日大使がメンション飛ばして「米中空中戦」

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   米中対立は、日本のネット空間にも影を落としているようだ。米国大使のジョージ・グラス駐日大使と中国の吴江浩駐日大使が、X上で舌戦を続けている。

  • 米中対立は駐日大使のXでも表面化している
    米中対立は駐日大使のXでも表面化している
  • 米国のジョージ・グラス駐日大使のポスト。天安門事件を引き合いに中国に反論した
    米国のジョージ・グラス駐日大使のポスト。天安門事件を引き合いに中国に反論した
  • 中国の呉江浩・駐日大使のポスト。「日鉄によるUSスチール買収、ハーバード大日本人含む外国人留学生進退」を持ち出した
    中国の呉江浩・駐日大使のポスト。「日鉄によるUSスチール買収、ハーバード大日本人含む外国人留学生進退」を持ち出した
  • 米中対立は駐日大使のXでも表面化している
  • 米国のジョージ・グラス駐日大使のポスト。天安門事件を引き合いに中国に反論した
  • 中国の呉江浩・駐日大使のポスト。「日鉄によるUSスチール買収、ハーバード大日本人含む外国人留学生進退」を持ち出した

「中国から日本への移住者が増えるのも当然だ」「留学生進退などの件にもっと関心を寄せては」

   発端となったのは、日本政府が中国への日本産水産物の輸出再開に向けた手続きで中国側と合意したとの発表を受けて、グラス氏が投稿した内容だ。

   グラス氏は2日のポストで「ステーキとシーフードをワンプレートで楽しめる日はまだ先か」と、皮肉交じりに中国の対応を批判した。

「中国は日本産海産物の不当な禁輸撤廃には合意したかもしれないが、日本の和牛については20年以上も輸入禁止を続けている。これでは中国から日本への移住者が増えるのも当然だ。素晴らしい食と自由な暮らしがここにはあるのだから」

   対する吴氏は3日、グラス氏の投稿のスクリーンショットを添えて応戦。

   「グラス大使はどうも所管外の中日貿易、人的往来に非常に興味あるようですね」と揶揄しつつ、次のように指摘した。

「その前に、日鉄によるUSスチール買収、ハーバード大日本人含む外国人留学生進退などの件にもっと関心を寄せてはいかがでしょうか?」

天安門事件めぐる批判に中国大使は「世界の平均的な好感度」で応戦

   グラス氏と吴氏による応酬は静かに続き、グラス氏は4日、中国で学生らの民主化運動が武力弾圧された天安門事件から36年の月日が経ったことに触れ、「自由と民主主義のためならば、常に闘う価値がある。#天安門事件」と投稿。中国政府を非難した。

   続けて、第2次トランプ政権で国務長官を務めるマルコ・ルビオ氏による英語での投稿を日本語訳で伝えた。

「ルビオ国務長官は、『36年前、天安門広場で中国共産党が行った残忍な弾圧を、われわれは決して忘れません。命を奪われた、あるいは投獄された罪なき人々の勇気を改めてたたえ、ここに追悼の意を表します。自由、民主主義、そして自治は、人類共通の普遍的原則です。中国共産党によって消し去られることはありません』とポストしました」

   一方の吴氏は、「6月2日、アメリカのAxiosウェブサイトはモーニングコンサルトによる中米好感度調査のデータ」をグラフつきで紹介。「肯定的評価から否定的評価を差し引いたもの」を「米国と中国に対する世界の平均的な好感度」とのデータで、25年3月ごろに中国が米国を上回っている。

   続く投稿では、「アメリカが誇る民主主義の現実だ」として、アメリカでの警察取締りに関する動画を公開し、その批判した。

   対するグラス氏は、留学生に関する吴氏の投稿スクリーンショットをつけた上で、吴氏のアカウントをメンションし、「中国の呉江浩駐日大使が学生を話題にするとはなかなか興味深い」と反応。天安門事件を引き合いに、米国の留学生の受け入れ姿勢を強調した。

「米国は、学びと知的な探求に情熱を注ぐ学生を歓迎している。ちょうど、天安門事件後に中国から米国に逃れてきた人々のように」
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