巨人が2025年6月10日のソフトバンク戦(PayPayドーム)に2-5で敗れ、今季4度目の3連勝はならなかった。
だが、明るい材料がある。1軍に復帰した坂本勇人の活躍だ。4回に有原航平から同点に追いつく左越適時二塁打を放つと、6回も左前打。三塁の守備でも5回に周東佑京の三塁線への痛烈な打球をダイビングキャッチし、プロ初登板の山田龍聖を盛り立てた。
当たれば派手だが、打力の確実性が...
三塁のレギュラーで計算していた坂本だが、春先から打撃不振が深刻で打率.133、0本塁打、3打点とふるわず、5月12日にファームに降格した。主砲の岡本和真が三塁に回ったが左肘靭帯損傷で長期離脱に。戦力整備のためトレードでソフトバンクから緊急補強したのがリチャードだった。
トレードが発表された翌13日の広島戦(マツダ)に「7番・三塁」でスタメン出場すると、5回に森翔平から左翼へ移籍後初アーチを放ち、6回に左前打と鮮烈なデビューを果たした。18日の中日戦(東京ドーム)でも松葉貴大から逆転の2号3ランをバックスクリーンに叩き込んだが、スタメンで試合に出続けられない。
一番のネックは打撃の確実性だ。39打数4安打で打率.103。42打席で18三振とバットにボールが当たらない。
スポーツ紙デスクは
「坂本が復調するようだと、リチャードが三塁のスタメンで出場するのがさらに厳しくなる。長打力を武器に代打の切り札で起用という選択肢がありますが、あまりにも確率が悪すぎる。阿部慎之助監督がいつまでチャンスを与えるか。この交流戦で結果を残さないと、ファーム降格が現実的になる」
と指摘する。
果たして、規格外の飛距離を武器に輝きを取り戻せるか。
(中町顕吾)