国民民主党の榛葉賀津也幹事長は2025年6月11日、7月の参院選に比例代表で出馬を予定している山尾志桜里氏の公認内定を取り消すと発表した。山尾氏は6月10日に出馬会見を開いたばかりだった。山尾氏は玉木雄一郎代表から打診されて出馬を決めた経緯があり、党の対応には他党議員らからもあきれる声が上がった。「党内外からの理解と信頼を十分に得られているとは言い難く」山尾氏の公認をめぐっては、過去の不倫疑惑やガソリン代の不正支給、議員パスの不正利用などについてインターネット上で批判が続出。10日に会見を開くこととなった。しかし、会見では過去の不倫報道について「この場で新しく言葉を紡ぐことをどうかご容赦いただけたら」などと繰り返し、説明責任を果たしていないとして反発が広がっていた。党支持率の下落なども騒がれる中、榛葉氏は11日、公認内定を取り消すことを発表した。玉木雄一郎代表は12日、Xで「国民民主党として、山尾しおりさんの公認内定を公認に切り替えない判断をしました」と報告。「山尾さんは、憲法改正議論や人権外交の分野をはじめ高い政策能力を持ち、この国の未来に貢献したいという信念をお持ちでした。こうした能力や姿勢に期待し、一度は党としても公認を内定しました」としつつ、公認取り消しの理由を説明した。「しかし、現時点で、有権者をはじめ、党内外からの理解と信頼を十分に得られているとは言い難く、最終的に正式な公認への移行を見送ることとしました」11日夕の党首討論後にも、記者団に対して同様の説明をしている。「仮に昨日の会見を不首尾とするなら、党執行部のガバナンスの問題!」他党議員らからも、あきれる声があがった。立憲民主党の米山隆一衆院議員は、内定取り消しの方針が報じられた際に「特に新しく何かあった訳じゃないのに、幾ら何でもそりゃ酷いと思います。ひたすら候補者使い捨ては、党の在り様を示していると思います」と党の対応を批判。「それなら最初から公認しなければいいだけの話」とする一般ユーザーの声を引き合いに、「そこですよね。最初から分かっていたんだから、適切でないと思うなら公認しない事でしょう。公認して記者会見までさせておいて、新たに問題が出た訳でもないのにぶった切るのでは、幾ら何でも立つ瀬が無さすぎです」とつづった。同じく立憲の五十嵐衣里衆院議員は、フェイスブックで「公認を貰い選挙に出るということは、誰もが人生をかけて臨むもの」と指摘したうえで、「その公認をこんな既に発覚している理由で出馬記者会見の翌日に取り消す国民民主党は、山尾さんを擁護する訳では無いが、同じく候補者を経験した身として、あまりにも酷すぎると思います」などと党の対応を疑問視した。津村啓介衆院議員は、五十嵐氏の投稿を引用し「五十嵐さんの仰る通り。#国民民主執行部は山尾さんの公認取消理由を公に説明すべきです」とした上で、「過去の不行跡が理由なら最初から公認するな。仮に昨日の会見を不首尾とするなら、党執行部のガバナンスの問題!」と批判。「玉木さん、榛葉さん。貴兄らはこれからの参院選期間中#心から笑える時があるのでしょうか」と呼びかけた。
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