一転招待の長崎平和式典、イスラエル大使出席へ 24年「招待なし」は「非常に残念」

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   イスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使が2025年6月27日に東京・丸の内の日本外国特派員協会で開いた記者会見で、長崎原爆の日の8月9日に開かれる平和祈念式典に参列する意向を示した。

   24年の式典では、主催する長崎市は「不測の事態が発生するリスク」を理由にイスラエルを招待せず、反発する形で日本以外の主要7か国(G7)などの大使が長崎の式典を欠席。長崎市は25年には一転してイスラエルを招待する方針を明らかにしていた。

  • 日本外国特派員協会で記者会見するイスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使。長崎原爆の日の8月9日に開かれる平和祈念式典に参列する意向を示した
    日本外国特派員協会で記者会見するイスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使。長崎原爆の日の8月9日に開かれる平和祈念式典に参列する意向を示した
  • 記者会見場は通常よりも厳しい警備体制が敷かれた
    記者会見場は通常よりも厳しい警備体制が敷かれた
  • 記者席の様子
    記者席の様子
  • 日本外国特派員協会で記者会見するイスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使。長崎原爆の日の8月9日に開かれる平和祈念式典に参列する意向を示した
  • 記者会見場は通常よりも厳しい警備体制が敷かれた
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「この式典は重要」、イスラエル国民への日本国民への「敬意」示す

   イスラエルはパレスチナ自治区ガザへの侵攻を続けており、長崎市は抗議活動などによる「不測の事態が発生するリスク」を念頭に、24年は招待を見送った。「政治的意図」は否定していた。一方、長崎市の鈴木史朗市長は25年5月8日の記者会見で、25年の式典にはイスラエルも招待する方針を明らかにし、その理由を

「この1年間で国際的な分断が、より深刻化していると感じている。そういうところも踏まえて、総合的に判断させていただいている」

などと説明していた。

   記者会見で25年の式典に向けた動向を尋ねられたコーヘン氏は、24年の式典に招待されなかったことを「非常に残念。訪問して敬意を表し、日本国民と共に立ち、第二次世界大戦での出来事を共有したかった」と指摘。長崎に招待されなかった結果、都内で開かれた別の式典に英米大使らと参列したことが「正しい判断だったと思う」とした。

   25年の式典については、すでに招待状を受け取ったとして、

「この式典は重要であり、この非常に困難な記憶の瞬間、そして平和の重要性についての相互理解の瞬間に、イスラエル国民が日本国民に敬意を示していることを示している。したがって、長崎を訪問する予定だ」

などと話した。

   コーヘン氏は会見で、イスラエルがイランを空爆した「ライジングライオン(立ち上がる獅子)」作戦の正当性を主張。イランの核開発を阻止する必要性を強調した。

(J-CASTニュース編集委員 兼 副編集長 工藤博司)

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