メキシコのボクシング専門メディア「ノッティファイト」(ウェブ版)は2025年7月6日、クルーザー級のジェイク・ポール(米国、28)の特集記事を組み、ポールの世界ランキング入りを批判的に報じた。動画登録者数は2090万人、インスタフォロワーは2848万人ポールは米国オハイオ州出身の人気ユーチューバーで、動画の登録者数は6日時点で2090万人で、インスタグラムのフォロワーは2848万人となっている。ユーチューバーとして動画を投稿しながら、プロボクサーとしても活動し、多くのファンから支持されている。アマチュアボクシングを経て20年1月にプロデビュー。プロ戦績は、12勝(7KO)1敗で、23年8月から6連勝を飾っている。プロボクサーとして世界中から注目を集めるポール。24年11月には、元世界ヘビー級3団体統一王者マイク・タイソン(米国、59)と対戦するなど、話題に事欠かない。今回は、世界王座認定団体WBA(世界ボクシング協会)の最新の世界ランキングに入ったことが、ボクシング界で波紋を広げている。ポールは、最新ランキングでWBA世界クルーザー級14位にランクインした。6月28日に、元WBC世界ミドル級王者フリオ・セサール・チャベス・ジュニア(メキシコ、39)を判定で破ったことが反映されたとみられる。「WBAランキング見せかけか?」ただ、チャベス・ジュニアは元世界王者といっても王座を獲得したのは、14年前の11年6月だ。このような背景もあり、「ノッティファイト」はポールの世界ランキング入りを疑問視した。同メディアは、「ジェイク・ポールの恥ずかしいWBAランキング見せかけか?それともスポーツとしての実力か?」とのタイトルで記事を展開した。記事では「ジェイク・ポールがまたやってくれた。物議を醸したユーチューバーからプロボクサーに転身したポールは、世界ボクシング協会(WBA)クルーザー級世界ランキングでトップ15入りを果たし、国際ボクシング界全体に激しい怒りを巻き起こした」とした。そして、ポールの世界ランキング入りによって、ランキングが下がった選手の怒りの声を伝えた。記事によると、6月までWBAクルーザー級14位に入っていたグレイグ・パーカー(米国)が、ポールのランクインにより15位に後退した。パーカーは、WBAの決定に対して「このスポーツで懸命に努力してきたすべての人々への侮辱だ」と痛烈に批判し、「高齢のチャベス・ジュニアを倒した後に、彼が来て私の地位を奪うのはプロボクシングの恥辱だ」と語ったという。さらに、「彼だけではない。コーチ陣、プロモーター、そしてファンもWBAの決定に疑問を呈し、同団体がスポーツの実力よりも名声と金銭に屈したと非難している」と批判的に論じた。米国の歴史と権威ある専門誌「ザ・リング」(ウェブ版)は、今回のポールの世界ランク入りに関して、「ジェイク・ポールのランキングは、他のランキング候補者からの抗議を受けてWBAによって見直される予定だ」と伝えた。
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