ヤクルト村上宗隆「メジャー挑戦」で指摘された2つの懸念点 ホームラン打者として高評価も心配な数字が

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   ここ数年のストーブリーグで注目されるのが、日本人選手のメジャーリーグへの移籍だ。2025年は3年前のセ・リーグ三冠王、東京ヤクルトスワローズ・村上宗隆選手の移籍に注目が集まっている。

   しかし、今年はケガに悩まされ、1軍でわずか1試合の出場に止まっている。その動向は、どうなっているのだろうか。

  • 2023年WBC決勝で本塁打を放った村上宗隆(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
    2023年WBC決勝で本塁打を放った村上宗隆(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
  • 大リーグ・ヤンキースの本拠地ヤンキースタジアム
    大リーグ・ヤンキースの本拠地ヤンキースタジアム
  • 2023年WBC決勝で本塁打を放った村上宗隆(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)
  • 大リーグ・ヤンキースの本拠地ヤンキースタジアム

メジャーリーグでもトップクラスの打球速度

   今シーズンは脇腹痛による長期離脱から、2025年4月17日の阪神タイガース戦で復帰したものの、その試合で再び同じ箇所を痛めて二軍調整となっていた。

   村上は熊本県の九州学院高等学校からドラフト1位でヤクルトに入団して、今年8年目。4年目の2021年にホームラン王を獲得すると、翌2022年には打率.318、本塁打56(1964年の王貞治の55本を更新)、打点134でセ・リーグ三冠王を獲得した。

   その年オフから計18億円の3年契約を結ぶ。その後2年は不調の時期もありながら、30本以上のホームランを記録、昨年はホームラン王を獲得している。

   今年のオフで3年契約が切れることもあり、村上は今年末にポスティングでのメジャー挑戦を希望していた。

   米国でも「一発の打球速度が非常に高く、WBCでのホームラン(115.1mph=約185.4km/h)は、メジャーリーグでもトップクラスに匹敵」(MLB.com)と紹介するなど、熱い注目を集めていた。

   ヤクルトの林田哲哉球団社長も6月25日に「行きたいと言ったならば、申請してあげようと思う」と村上の希望を尊重することを表明している。

   現時点で、村上のメジャー移籍には壁がなくなったと考えられる。

スピードボールへの対応力に疑問符

   現地・米国で村上は、先に挙げたようなホームランバッターとしての評価は高い。

   メディアではレッドソックス、ヤンキース、ドジャースなど、すでに獲得候補も上がってきている。

   しかし、懸念点も多数挙げられている。ひとつは三振数の多さだ。

   レッドソックス専門サイト「TalkSox」は「バットコントロールに課題があり、ゾーン内の対応率が低い」と、村上の三振率やMLBの高速球への対応力に疑問を呈している。

   また、もうひとつの懸念点は内野手であることだ。

   これまでも松井稼頭央、西岡剛、中島裕之、中村紀洋といった日本人内野手がメジャーへ移籍したものの、短期間で帰国している。

   村上は日本で主にサードを守っているが、守備力はあまり高くない。スラッガーとはいえ、メジャーの内野手は強肩・俊足など身体能力の高い選手が多い。

   かつてメジャーでも外野守備で魅せた田口壮氏は、正面でボールを捕るという日本流の守備が仇となることを指摘する。メジャーでは体勢よりアウトを優先する意識があり、「体の使い方がまったく違いますから」と語っている。

メジャー挑戦は1年遅らせたほうが......?

   「TalkSox」では村上がメジャーに移籍した場合「ファーストにコンバートされることになるだろう」と語っているが、ファーストは名だたるスラッガーがひしめきあうポジションでもある。

   となれば、より打撃力に重点が置かれることになるが、このケガのブランクはどう響くのだろうか。

   米メディアでは、このケガの影響を心配する声が多く、「Sports Illustrated」をはじめ、「実戦不足」を理由に、移籍を1年遅らせる可能性を報じている。

   7月8日、東北楽天ゴールデンイーグルスとの2軍戦で、村上宗隆は3か月ぶりの実戦復帰を果たした。

   4回までの出場で2打数0安打、1つのエラーを記録したものの、「2打席目はしっかりスイングできたのでホッとしてます」と話した。

   まずは確実にケガを治してもらって、1日も早く1軍で豪快なバッティングを見たいものだ。

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