阪神はなぜ藤浪と青柳を獲得しなかったのか 識者が挙げた納得の理由 「人間性は問題ないとしても...」

   プロ野球DeNAの元ヘッドコーチで野球解説者の高木豊氏(66)が、2025年7月30日にユーチューブを更新し、阪神が藤浪晋太郎投手(31)と青柳晃洋投手(31)を獲得しなかった理由を検証した。

  • 阪神の本拠地・甲子園球場
    阪神の本拠地・甲子園球場
  • 北海道日本ハムファイターズ・新庄剛志監督(画像は本人のインスタグラムより)
    北海道日本ハムファイターズ・新庄剛志監督(画像は本人のインスタグラムより)
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  • 北海道日本ハムファイターズ・新庄剛志監督(画像は本人のインスタグラムより)

「阪神は若手が詰まっている。そうなると悩みを抱える」

   藤浪と青柳は元阪神の投手で、藤浪は23年オフに、青柳は24年オフにそれぞれポスティングシステムを利用して大リーグに挑戦した。

   藤浪は、オークランド・アスレチックス、ボルチモア・オリオールズ、ニューヨーク・メッツを経て、今シーズンはマリナーズ傘下のマイナーでプレー。6月に自由契約となり、7月16日にDeNAに入団した。

   青柳は25年1月に、フィラデルフィア・フィリーズとマイナー契約を結んだ。マイナーで開幕を迎えるも、3Aで結果を残せず2Aに降格。結局、大リーグに1度も昇格することなく7月23日に自由契約となり、ヤクルトに入団した。

   藤浪、青柳は阪神で人気が高かった投手だけに、インターネット上では、古巣・阪神への復帰を熱望する虎党も。阪神が両者の獲得に動いたかどうかは不明だが、結果、同リーグのライバルチームへの移籍となった。

   なぜ、阪神は獲得しなかったのか。DeNAでヘッドコーチを務めた経験から、高木氏は次のように持論を展開した。

   「チームを預かる人間からすれば、藤浪クラスが戻ってくる。青柳クラスが戻ってくるとなると、使わなくてはいけなくなる。そうなると、バランスが悪くなるということを考える。人間性は問題ないとしても、例えば技術的に、藤浪に抜け球の欠点があるとか。青柳が勝てなくなっている。力の衰えを感じているということになれば、あそこ(阪神)は若手が詰まっている。そうなると悩みを抱える」

   そして、こう続けた。

「阪神はファームにも優秀なピッチャーがたくさんいる」

   「枠の問題はあるが、実力的にある程度のベテランの域に達しようとしている藤浪と、ベテランといわれる青柳を取るかというと、取らない。それと、藤川(球児)監督がはなから言っていた。『働けないベテランはいらない』と。取った以上は試さないといけない。試してダメだったら使わないのかと。そういう扱いにしたくないと思う。青柳も藤浪も功労者だから」

   今シーズンの阪神は、投手力が安定し、チーム防御率はリーグトップとなる1.91だ。ペナントレースでは首位に立ち、2位・巨人に11ゲーム差をつけて独走。30日の広島戦で勝利したことで、優勝マジック「39」が点灯した。

   高木氏は、阪神が藤浪と青柳を獲得しなかった理由のひとつとして、「(チームの)現状がいい分だけ、触りたくないというのはある」とし、「それと、ファームにも優秀なピッチャーがたくさんいる。そこらへんを待つというか、チャンスを与える。そうした方が将来的につながると考えていると思う」とみる。

   さらに、「DeNAは藤浪に対して、『先発で試してみたい』と言った。阪神は言える?」と投げかけ、「現状では、どこで使うとは言えないと思う。そうなってくると、戻れない。そういう人間を戻そうともしないと思う。これは仕方ない。他チームのユニフォームを着て甲子園のマウンドに立っても(ファンは)応援してほしいと思う」と締めくくった。

   日本球界復帰にあたり、藤浪は球団公式サイトを通じて「自分は長いイニングも短いイニングも両方できると思っているので、チームに任されたところで、心機一転チームの勝利に少しでも貢献したいです」とコメント。

   31日に入団会見を行った青柳は、報道によると「自分がメジャーに挑戦してダメになってしまったけど、また野球をできる環境を与えてくれたことに感謝です」と語ったという。

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