学歴詐称疑惑が問題となっている静岡県伊東市の田久保真紀市長が2025年7月31日に開いた記者会見で、辞職を撤回し続投を宣言した。困惑の声が広がる一方で、SNSでは続投の兆しが見られていた。
「一応考えとしては持っているが......」
田久保氏をめぐっては、市の広報誌に、平成4年(1993年)に「東洋大学法学部卒業」と記載していたが、卒業していないとする投書が市議会に寄せられたとして問題になった。その後、田久保氏は大学を除籍となっていたことが明らかとなった。市議会ではこの問題に関し百条委員会を設置。田久保氏が「卒業証書」だとしているものの提出を求めていたが、田久保氏はこれを拒否した。
25日には、証人として出頭するよう求められていた市議会の百条委員会を欠席。7月末までに辞任し、改めて市長選挙に立候補する考えを示していたが、同日に記者から問われた際には「一応(辞任も)考えとしては持っているが、はっきりできる時点でしっかりしたい」と明確な回答を避けた。
7月10日のテレビ静岡の報道では、市長の退職金は毎月1日が算定基準日だとして、「8月1日以降に辞めるつもりなのか」と不信感をあらわにする職員の声も報じられている。
「改革への道はまだ本当に始まったばかりであるということ」
当初の「辞任期限」としていた31日夜、田久保氏は記者会見を開いた。
「私の心の弱さが招いてしまった混乱や不信に対しましては、本当に人に私の不得の致すところでありまして。市民の皆様には、何度お詫びを申し上げてもまだまだお詫びはしきれない」と反省の弁を述べた。
一方で、「伊東の町を歩いておりまして、その路上で、それからお店の中で、市役所の中で......いろんな場所で偶然出会う市民の皆様の方々から声かけられた言葉ですね。メールで毎日のように送られてくるメッセージ。もちろん厳しいお声が多いのはそうなんですけれども、『頑張ってほしい、負けないで欲しい、最後までやり遂げろ』と。そういった言葉の数々が多く含まれておりました」として、市民からの応援の声を強調。
こうした声を受け、「この町に長く続いた構図ですね。改革すべき事柄、それから実に多く山積する問題。その改革への道はまだ本当に始まったばかりであるということ。そのような大切なことを改めて、市民の皆様の声で強く思い出させていただきました」と述べ、続投の意思を明らかにした。
「光って白く見えますがマイボトルもパープルでした」
事実上の続投宣言に対し、SNSでは「居座ったら勝ちってか...」「驚愕以外に言葉が見つからない」など驚きと困惑の声が相次いだ。
一方で、田久保氏はこれまでも「出直し選挙」への立候補の意向を示しつつ、SNS上での積極的な発信を続けてきた。
30日に起こったロシア・カムチャツカ半島沖地震では、津波警報や避難所の開設などの情報について、こまめな発信を行っていた。
また、地元紙・伊豆新聞による「きょうの田久保まき市長」とのX投稿では、「田久保真紀・伊東市長は28日午前8時55分ごろ、自家用車で市役所に登庁されました。紫色のリュックサックには、白いマイボトルがささっています」などとするポストを引用し、「光って白く見えますがマイボトルもパープルでした」と反応。自身の「パープルコーデ」をアピールしていた。
こうした対応から、「伊東市の田久保市長が辞めると本気で思ってた人なんていないでしょ 想定の範囲内でワロス」「田久保辞めない(知ってた) ずーーーと引き伸ばしてたからね 辞めないと思ってた 市議たち振り回されてるだけでしたね」といった声も上がっている。