阪神が2位・巨人に12ゲームの大差をつけて首位を独走しているセリーグ。各球団の残り試合が40試合前後になったことを考えると、阪神が逆転優勝を許す展開は考えにくい。
「どの球団も投打に不安を抱えているので最後まで混戦」
セリーグ球団のスコアラーが明かす。
「先発ローテーションの予定を変更し、エース級の投手を阪神にぶつけることは考えにくい。優勝を阻止するためには残り5球団で阪神包囲網を敷くべきですが、今はCS争いがある。2位を目指して目先の白星を積み重ねるのが現実的です。どの球団も投打に不安を抱えているので最後まで混戦になると思います」
昨年のリーグ覇者・巨人は岡本和真が抜けた穴を埋められていない。303得点はリーグ4位。投手陣もエースとして期待していた戸郷翔征が3勝7敗、防御率4.50の大誤算だ。昨年はレギュラーシーズン3位からCS、日本シリーズを勝ち抜いて日本一に輝いたDeNAも波に乗れない。シーズン途中にフォード、ビシエド、藤浪晋太郎を獲得したが巻き返しに向けて原動力になるか未知数だ。
カギは最下位のヤクルト?
3年連続最下位から井上一樹監督が就任した中日は借金9の4位。投打で戦力は整ってきているだけに、大型連勝で借金を完済したい。5位の広島は7月に4勝16敗3分と大きく負け越し。昨年のシーズン終盤に大失速した悪夢がよぎった。借金9を抱えて中日に勝率差で下回る5位まで落ち込んだが、2位・巨人に4.5ゲーム差とCS進出はまだ十分望みがある。春先は打撃好調だった主軸のファビアンが7月以降は打率1割台と失速しており、復調できるかがカギを握りそうだ。
前出のセリーグ球団のスコアラーは「セリーグの順位争いでカギを握るのは最下位のヤクルトだと思います。村上宗隆、長岡秀樹が故障から復帰して戦力が上がってきている。ヤクルトに苦戦するチームはCS進出が苦しくなるでしょう」と分析する。
最後まで目が離せないCS争いが繰り広げられそうだ。
(中町顕吾)