「全部ダメではなく、自然環境と調和を図るのが望ましい」
著名人以外でも、地元の猛禽類医学研究所など6団体が署名サイト「change.org」で、「釧路湿原南部におけるメガソーラーの駆け込み建設中止を求めます!」とする活動を始めると、一般からの賛同者が相次ぎ、5月9日に6万7143件の署名を鶴間秀典市長などに提出した。8月19日18時現在では、11万件以上に達している。
メガソーラー建設について、釧路市は、貴重な動植物へ影響を与えると考えられる場合には、反対する姿勢だ。
23年7月に「太陽光発電施設の設置に関するガイドライン」を定め、10キロワット以上の施設を対象に、専門家に助言を求めたり、住民説明会を開いたりすることを業者に求めた。25年6月1日には、「自然環境と調和がなされない太陽光発電施設の設置を望まない」とする「ノーモア メガソーラー宣言」を行った。特別保全区域を設けて開発を許可制にする条例案も、9月定例市議会に提出する予定で、10月1日に施行して26年1月1日以降に着手する事業への適用を目指している。
条例について、市の環境保全課は8月19日、J-CASTニュースの取材に対し、次のように説明した。
「貴重な動植物の生態調査をしたり、保全計画を策定することを事業者に求めていきます。施設を建てられないわけではありませんが、環境に配慮することが求められます。市の意思として、豊かな環境を破壊することは望まないということです」
野口健さんの活動との関わりはないとし、中立の立場で環境保護を進めるという。
ただ、25年までに着手した事業については、ガイドラインしか適用できないという。国立公園の外にあるため、開発への規制もないとしている。
「再生可能エネルギーは、1つの手法として、国が推進しています。メガソーラーが全部ダメということではなく、自然環境と調和を図るのが望ましいということです」
(J-CASTニュース編集部 野口博之)