「アフマダリエフは最強の相手。打ち合ったら分からない。危ない」
「ヒットアンドアウェイがいいと思う。打ち合いをしたら、狙い打ちでガーンとやられるかもしれない。出たり入ったりすれば、サウスポー相手にカウンターを取れる。無理に打ち合いにいくと絶対に損する。最強の相手だと思う。パンチ力といい。打ち合ったら分からない。危ない。だからヒットアンドアウェイで。チャンピオンの余裕を見せて」
井上は、直近4試合のうち2試合でダウンを喫している。
24年5月のルイス・ネリ戦では、初回にプロキャリア初のダウン。25年5月のラモン・カルデナス戦は、2回にダウンを喫した。ダウンを取られたパンチは、いずれも左フックだった。
くしくもアフマダリエフのトレーナーは、カルデナスと同じ人物だ。しかも、サウスポーのアフマダリエフは左フックを得意としている。
渡嘉敷氏は、「前回の試合で倒されている。ダウンを取られているところに、皆が心配している。トレーナーが一緒というところが怖い。さらに研究してくるわけだから怖い。その次のパターンも考えているかもしれない」と警戒した。
世界が注目する1戦に備え、井上陣営はスパーリングパートナーとしてアフマダリエフに、唯一土を付けたタパレスをフィリピンから招いた。タパレスは、アフマダリエフと同じサウスポーで、アフマダリエフのスタイルを知り尽くしているだけに、井上にとって中身の濃い練習になっているようだ。
渡嘉敷氏は、タパレスをパートナーとして招へいした陣営の思惑について、次のように推測した。
「(アフマダリエフの情報を)聞きたいから呼んだのかもしれない。だからスパーリングパートナーとして来てもらって。(アフマダリエフのことを聞けるのは)大きい。意外と『ここが穴だった』ということを聞けるかもしれない。弱点を聞けるかもしれない。最高のパートナーだと思う」
井上に挑戦するアフマダリエフは、米カリフォルニア州パームスプリングスでの合宿を終え、24日に来日した。これまで再三にわたり井上を挑発してきたアフマダリエフだが、スポーツ紙の報道によると、「井上選手を大変、尊敬している」などと語ったという。