「ネットフリックスは100億円を軽く払っていると思う」
「主催者の立場、つまりMLB、WBCI(ワールド・ベースボール・クラシック・インク)。WBCIというのは、MLBとMLB選手会のフィフティフィフティの共同出資の会社で、運営はMLBの方々がやっている。だからMLBのイベントなんですよ。MLBにとっては、そっちの方が儲かるからということ」
小林氏は、すでに米国ではインターネット配信放送の視聴時間が、テレビの視聴時間を超えており、日本もそうなりつつあると指摘。このような背景の中、「実際、地上波が払えるのは、CM収入から考えると、日本が決勝まで行ったとして、全部で15億円から20億円程度が限界だと思う」とし、次のように持論を展開した。
「CM収入がサッカーワールドカップ並みに、例えば30秒300万円としても、1試合3億円。これを目いっぱい、1試合で(CMを)100本差し込んで3億円。6試合で18億円。これが地上波放送局の入りです。ここから製作費もかかる。WBCIに払う放送権料は、15億円払えるかどうか。一方で、ネットフリックスは100億円を軽く払っていると思う」
プロ野球をはじめとするスポーツマネジメントに精通する小林氏は、スポーツコンテンツを取り巻く現状について、海外と日本を比較しながら、こう解説した。
「放送権料は世界的にものすごく高騰している。そういう中で日本だけが、失われた30年という言われ方をするが、まさにデフレ。デフレ日本、江戸時代。黒船が来て、ドーンと大砲一発で、スポーツコンテンツマーケットが、ガラガラガラと動こうとしているところ」
ネットフリックスによる「WBC独占配信」のニュースは、インターネット上で大きな話題となり、Xでは「初心者や野球興味無い方が興味持つ機会が狭くなるのは悲しくなるな」「野球そのものの人気がまた下がる恐れありやね」「サッカー日本代表の二の舞やん!」「こういうのは日本の野球文化に合わない!!」「WBCを見れない野球少年たちが出てくるね」「野球人気も終わるかもしれない」などの声が上がった。
WBCで大会2連覇を目指す日本代表は、オーストラリア、韓国、チェコ、台湾と同組のプールCに属し、3月6日の台湾戦が初戦となる。