バーチャルシンガー「初音ミク」らによるライブ「マジカルミライ」で、演出のため発射された銀テープに釘などの異物が混入していたのではないかと騒ぎになった件について、運営側は2025年8月28日、公式Xで検証結果を報告した。
このライブは、TOKYO MXテレビとクリプトン・フューチャー・メディアの共催で、8月9~11日に大阪市内の国際展示場「インテックス大阪」で行われた。
実験では「客の座席位置とは異なる場所に落下」
このとき、昼夜2部それぞれのライブで、キャノン砲による銀テープ発射時に釘やビスが客席へ飛んだとする目撃情報がX上で流れた。ペンライトに何かが当たって大きな音がして見ると釘があった、公演前に客席周辺の床にネジが転がっていた、といった情報が拡散した。
これに対し、運営側は、「お詫びとご報告」として、「キャノン砲の固定には釘・ビスを使用しておらず、銀テープ発射の際に近辺の異物を巻き込んだ可能性は低い」などと説明する一方で、事実関係を調査していると公式Xで発表していた。
その中で、キャノン砲の内部などを調査し、検証を行なっていると明らかにしたが、28日になって、公式Xを更新し、検証結果を報告した。
それによると、運営側は、キャノン砲の本番環境を再現し、様々なパターンで発射実験を行った。そして、キャノン砲周辺の異物が巻き込まれて発射される可能性は極めて低いことを再度確認したという。また、キャノン砲内の異物が発射された場合の落下位置に関して、情報提供があった客の座席位置とは異なる場所に落下することも分かったという。
こうしたことから、「キャノン砲から異物が射出された可能性は極めて低いと考えられる」と改めて強調し、ただ、「その可能性を0にするため、また第三者による異物の投げ込みなど悪意ある行動を防止するため」として、東京公演などでは、安全策を取ると告知した。
「施工中に客席の隙間に落下し、転がった可能性もある」
安全策は、主に5点ある。「施工において釘、ビスを使用する範囲の制限」「使用する釘、ビスについて外部からの持ち込み品との区別が可能な管理方法の導入」「キャノン砲保管のセキュリティ強化徹底」「キャノン砲の準備作業の記録撮影」「会場スタッフによるライブ公演の巡回・監視体制強化」だ。
また、施工中に客席の隙間に落下し、清掃時に撤去しきれなかった釘やビスが公演中の振動で客の足元に転がり出てきたといった可能性もあるとして、「専用機材を用いた客席清掃の強化徹底をいたします」と述べた。
そのうえで、「ご不安な思いをされたにかかわらず、本件を窓口までご報告いただきました方には心より御礼申し上げます。皆様に安心してイベントをお楽しみいただけるよう、安全対策を徹底したイベント運営に努めてまいります」などと締め括っている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)