WBCをNetflixが独占配信、そのうち「大谷ドジャース」も? テレビ地上波から人気スポーツ中継が消える日

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   野球ファンに衝撃が走った。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の次回(2026年)大会をNetflixが独占配信することが25年8月25日、発表されたのだ――。

   これまで日本代表「侍ジャパン」の試合は「国民的行事」として、地上波で中継され、時に視聴率40パーセントを超えることもあったお化け番組だった。それが有料配信サービスの独占コンテンツへと姿を変える。スポーツとメディアの関係に転機が訪れたといえそうだ。

  • 日本中が歓喜した、2023年WBCでの「侍ジャパン」優勝シーン(写真:AP/アフロ)
    日本中が歓喜した、2023年WBCでの「侍ジャパン」優勝シーン(写真:AP/アフロ)
  • 2025年の大リーグ・オールスターで、恒例のレッドカーペットを歩く大谷選手と真美子夫人(大谷選手のインスタグラムより)
    2025年の大リーグ・オールスターで、恒例のレッドカーペットを歩く大谷選手と真美子夫人(大谷選手のインスタグラムより)
  • 日本中が歓喜した、2023年WBCでの「侍ジャパン」優勝シーン(写真:AP/アフロ)
  • 2025年の大リーグ・オールスターで、恒例のレッドカーペットを歩く大谷選手と真美子夫人(大谷選手のインスタグラムより)

「有料かよ」不満の一方で「テレビ持っていないから関係ない」

   発表直後、ネット上には賛否が渦巻いた。「有料かよ、国民的スポーツなのに」という不満もあれば、「地上波じゃなくてもいい。画質も、視聴スタイルの自由度も高い配信のほうが快適」という肯定的な声もある。「もうテレビを持っていないから関係ない」という若年層の書き込みも目立った。

   Netflix独占配信となった背景には、ひとつには放送コストの増大がある。まず放映権料の高騰。国際大会の権利料は年々値を上げ、日本代表戦となれば数十億円単位に達することも珍しくない。広告収入の伸び悩むテレビ局にとって、それを負担し続けるのは困難だ。日本シリーズの地上波中継が減り、Jリーグや大相撲の放送枠が縮小していったのも同じ構造だ。

   さらに、スポーツ中継は制作費も高い。複数台のカメラ、専門スタッフ、大規模な中継車......。局の経営が厳しくなるなかで、コストの重いスポーツから手を引くのは自然な流れだろう。

   もうひとつ大きいのは、視聴スタイルの変化だ。

   スマートフォンやタブレットが普及し、時間や場所を選ばずに試合を見られる時代になった。DAZNやABEMAのような配信サービスは見逃し視聴やマルチアングルといった機能を備え、ファンの支持を集めている。若い世代はもはや「リアルタイムでテレビ観戦」にこだわらず、自分のライフスタイルに合わせてコンテンツを消費する。その自由度に比べると、地上波の放送枠はあまりに窮屈だ。

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