自民党の有村治子参院議員が2025年9月4日、Xで拡散されている石破茂首相との打ち合わせ中の動画について、Xで長文の説明を投稿した。
「総理の尊厳にも、私の信用にも関わりますので」
有村氏と石破氏をめぐっては、2日に行われた自民党の両院議員総会の開会前に打ち合わせを行う様子を映した動画がSNSで拡散。話を聞く石破氏について「表情が嫌そうすぎて草」などと揶揄する投稿が注目を集めていた。
有村氏は4日、拡散された動画を引用し「昨日の自民党両院議員総会。開会前に私が、石破総理と打合せをした動画が、SNS上で面白おかしく拡散されています。総理の尊厳にも、私の信用にも関わりますので、背景を報告致します」と切り出した。
今回の両院議員総会では、与党で過半数に届かなかった夏の参院選の総括が報告された。有村氏は総会長として議事を取り仕切り、衆院・参院中立の立場で臨んでいた。
総会は党所属の国会議員は誰でも自由に発言できる場であり、「日頃から言論で勝負し、時間制約が多い議会人(多くは百戦錬磨の『猛者』)が毎回200人以上集まり、誰が、どのような立場で、いかなる主張を、いつ展開するのかーーー発言内容も、挙手の順番も、発言時間も『予定調和』はなく、あらかじめのヒントもありません」。
不確定な要素が多いことから、「いかに対応すべきか...想像力をたくましくして、あらかじめ様々なシナリオを想定し、党則を読み込み、公正中立を旨とする党職員と連携を密にし、『本番』での対応力を磨くべく準備します」という。
「総理発言のタイミング等、希望の有無を伺っていた場面」
有村氏は拡散された動画について「開会直前、到着されたばかりの総裁に対し、本番中に指摘されうる重大意見を想定し、議長として私・有村が整理/介入制御するケース、総理/幹事長として重い答弁が求められるケースの予測を立て、あらかじめ総理総裁に共有し、総理発言のタイミング等、希望の有無を伺っていた場面です」と説明した。
動画の映り方に関しては、「総理と私の物理的な距離が近いのは、すぐ近くに多くの方々が着座された環境で、性能の良いマイクが非公式の音声を拾わないため」と説明。「私がひるまず淡々としているのは、総理にとって『重くしんどい想定』であったとしても、これを予めお伝えした方が心の準備ができ、落ち着いて発言内容を吟味された方が、皆にとって公正だと考えているため」と続けた。
その上で「確かに厳しいシナリオをお伝えしていますが、それによって、総理は本番中に、いかに発言されるか、冷静に考え判断する時間を確保されています。(実際、会議中に悩まれ、2度慎重に確認していた私へのリクエスト内容は、会の最後に逆転しました)」という。
有村氏は「展開が読めず、難易度の高い会議を円滑に進め、組織としての意思決定を、前に進めるためのファシリテーターとして、当然の務めを果たしている、という認識です」と自身の立場を強調している。
昨日の自民党両院議員総会。開会前に私が、石破総理と打合せをした動画が、SNS上で面白おかしく拡散されています。総理の尊厳にも、私の信用にも関わりますので、背景を報告致します。
— 有村治子(参議院議員・全国比例) (@Arimura_haruko) September 3, 2025
総会では、党所属の国会議員であれば、誰でも挙手の上、自由に発言することができます。… https://t.co/tPrh5SRZKS