韓国の大手芸能プロがプロデュースした男性アイドルグループ「NCT WISH」の日本人メンバーが、日本のラジオ番組で「日本海」の呼称を使ったところ、X上などで韓国の一部から批判が起きている。
「カニがめちゃくちゃ美味しいんで...」。別の日本人メンバー、リクさん(22)が、出身地・福井のグルメをリスナーに紹介する。
「これは余計な一言ではないか」韓国語で指摘され
TOKYO FMで2025年9月5日未明に放送された番組「NCT WISHのCHAT WITH WISH!」の1シーンだ。この日は、日本人のリョウさん(18)、韓国人のジェヒさん(20)と3人で出演した。
NCT WISHでは、11月から日本の全国9都市で初のコンサートツアーを行う予定で、番組では、石川の公演に参加するというリスナーから、リクさんにリクエストがあった。
リクさんは、福井なら恐竜や越前焼、メガネフレームが有名だとしたうえで、「あとは何だろうね、カニ?」と話題を振った。
前出のように、その美味しさを強調した後に続けて、「それをぜひ食べていただいたら、うれしいですね」と語った。
この提案を受けて、リョウさんは、こうつぶやいた。
「日本海のカニ...」
これに対し、ジェヒさんからは、何も発言はなく、リクさんが話を継いだ。
福井は空気がきれいだとして、「いっぱい自然感じてほしいですね」と呼びかけた。リスナー質問への返答は、ここで終わっている。
リョウさんの発言は、この日のうちに、韓国人と見られるX投稿者から、音声付きで取り上げられた。
韓国では、日本海について「東海(トンヘ)」と独自の呼称で呼ばれているとされ、投稿者は、リョウさんに対し、これは余計な一言ではないかと指摘した。すると、韓国語で疑問や批判が相次ぐようになった。
「日本のラジオなんだから」「やばすぎて呆れるw」
「韓国で活動しながら、歴史認識が不足している」「韓国まで来るのはムカつく 自分の国に帰れ」「絶対に謝罪文を書いてほしい」
こうしたネット上の批判については、韓国の一部ネットメディアも報じている。
一方で、「海外で日本海と呼ぶこと自体は我々に何の害もない」「なんでそんなに怒るの?」となだめるような韓国語の書き込みもあった。
批判に対しては、日本人とみられる投稿で次々に反論があり、「日本出身だから日本海って言うのは当然だ」「日本のラジオなんだから」「やばすぎて呆れるw」などと書き込まれている。
外務省の公式サイトなどによると、日本海の呼称は、1602年から海外で使われ始め、日本が鎖国状態にあった19世紀前半から国際的に認知され、定着してきた。東海の呼称については、1992年の国連地名標準化会議で韓国が初めて持ち出し、その単独表記か日本海と併記すべきと主張した。
韓国は、19世紀後半の日本の植民地支配などの結果として日本海が一般化したとしたが、同省などでは、「根拠のない主張」だとして、日本海が「国際的に確立した唯一の呼称」としている。2012年の国際水路機関(IHO)総会でも、韓国は、IHOが刊行する標準海図集で「東海」の記載を主張したが、結論が先送りされたため日本海の単独表記になっている。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)