高市氏の方が「大きく変わった感」の可能性
さらに、自民党は出直し的解党が求められるが、小泉氏は石破氏と近かったために、石破路線を引き摺るように思える。高市氏のほうが岸田・石破政権の政策から大きく転換する。積極財政論では大きな転換だし、保守的な政策で自民党が失った人を取り戻せる期待もある。玉木国民民主と組むこともあり得るし、こうした意味では大きく変わった感は出る可能性がある。
実際、株式市場は石破氏退任で大きく値を上げた。その多くは、「高市銘柄」といわれるもののようだ。高市氏は、量子コンピュータ、宇宙ビジネス、核融合などの新技術にも熱心であり、何より国土強靭化ではこれまで公明党があまり熱心でなかったのを打破できる可能性がある。
こうした状況変化を読むのは党員のほうがはやい。自民党が変わるために、党員はどう判断するのか。議員はそれに追随するので、党員判断が重要だ。
++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣官房参与、元内閣参事官、現「政策工房」会長 1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。20年から内閣官房参与(経済・財政政策担当)。21年に辞職。著書に「さらば財務省!」(講談社)、「国民はこうして騙される」(徳間書店)、「マスコミと官僚の『無知』と『悪意』」(産経新聞出版)など。