関係者「ボタンを押して動かすというのは、言語道断」
「そもそも、パレット上で人が降りたり荷物を下したりしてはダメです。入庫前に、ベビーカーを下ろし、子どもも車から出てもらわないといけません。子どもが心配になると思いますので、係員が見守るようにすればよかった。ドライバー1人が乗って入庫し、1人で出てくるのが基本です」
また、人が閉じ込められても、機械を動かしてはダメだという。
「故障など何か異常が起これば、非常ボタンを押して、まずは機械を止めることです。ボタンを押して動かすというのは、言語道断です。機械を止めた後は、メンテナンス契約を結んでいる保守点検業者を呼べばいいわけです」
通常は、閉じ込めが発生すれば、人を検知するセンサーが働いて、機械が停止するという。
「人がいると動かない仕組みになっていますが、係員は、動かそうと思えば機械を動かせます。車が止まっても、アクセルを踏めば動くのと同じことです。機械を操作する人が安全確認を怠りますと、事故が起きてしまいます」
国土交通省では、「機械式立体駐車場の安全対策に関するガイドライン」を定めるなどしている。メーカー側も、取扱説明書通りに機械を操作してほしいと駐車場を指導しているが、今回は、これらが守られなかった可能性もあるのではないかとした。
なお、機械式駐車場で事故が起きたことについて、駐車場予約サイト「アキッパ(akippa)」は9月9日、駐車場の運営企業から連絡を受けたとして、公式サイトなどで「お詫びとお知らせ」を出した。
そこでは、「当該駐車場の運営企業と連携し、事故の経緯や原因の確認を進めております」として、「弊社はプラットフォーマーとして、同様の構造を持つ各駐車場運営企業様への注意喚起を行います」と告げた。そのうえで、事故の再発防止策が定まるまで、この駐車場予約は停止することを明らかにした。
(J-CASTニュース編集部 野口博之)