自民党総裁選の立候補者演説会が2025年9月24日に東京・秋葉原駅前で行われた。会場には多くの聴衆が集まり、なかには立候補者のイラストにハートマークがあしらわれたうちわや日の丸を掲げて応援する人もおり、支援者も気合が入った様子がうかがえた。
候補者5人が約10分ずつ演説
演説会では、総裁選に立候補した小林鷹之・元経済安保担当相、茂木敏充前幹事長、林芳正官房長官、高市早苗・前経済安保担当相、小泉進次郎農水相がそれぞれ約10分ずつ演説を行った。
小林氏は、「団塊ジュニアの私が子どもの頃に感じたあの勢いのある日本。もう一度世界の真ん中に日本を立たせたい」と語り、「もう1度日本をテクノロジー大国へ」「自らの手で守り抜く日本」「分断ではなく調和」の3つの未来像を実現したいと話した。
茂木氏は、「自民党が国民から離れていったから、こういう状況が生まれているんだと思っています」と自民党の責任に触れ、「経済の好循環を作ることによって、未来は明るいと、みんなに思ってもらえるような社会を作っていきたい」などと話し、経済政策を中心に訴えた。
林氏は、「本当に必要なところに本当に必要なものをお届けするには、聞いて聞いて、そして何度も何度も議論をして、政策をまとめて、本当にいい政策を作り上げていく」と、国民の声を聞くことと発信力の強化を主張した。
高市氏は、「必ずや日本がもう1回世界のてっぺんに立って、日本の課題を、そして世界の共有課題を解決していく。それだけの国に、私高市早苗、高い位置に押し上げたい」と訴え、経済政策や食料自給率、エネルギー問題などに触れた。
小泉氏は、「日本経済のインフレ時代に対応した経済運営をやっていくことで、着実に生活を豊かに、物価高を乗り越え、物価高を上回る国民所得を必ず実現をさせる。それが安倍元総理がデフレ脱却の先に見据えた日本経済の再生だと思います」と経済政策について語り、そのためにまずは「自民党自身を立て直す」と話した。
ハートをあしらったうちわ、日の丸、ポスター...応援さまざま
集まった聴衆のなかでも目立ったのは、茂木氏と林氏の支援者とみられる人たちだ。
林氏の演説時には、林氏の写真が掲載されたポスターを掲げる人が見られた。林氏のイメージカラーである緑色のシャツを着た人たちも複数人演説を聞いていた。一方で、林氏が演説の中で、岸田政権、石破政権の官房長官として「結果を出しきれなかった」として、「反省をしっかりと持ちながらも、全部が悪かったわけじゃない、いい政策はしっかりと引き継いでいく」と触れた際には、ヤジが飛ぶ場面もあった。
また、茂木氏が演説を終えると、茂木氏の写真が貼られたハート型のうちわを掲げて振る人が複数人見られた。さらに、全員の演説が終わり、候補者らが選挙カーから降りて聴衆に近づいた際にも、茂木氏とみられるイラストやハートマークがあしらわれたうちわを振る人たちもいた。「茂木さーん!」という声援も飛んだ。茂木氏は、手を振ったりガッツポーズをしたりと、まるで「ファンサービス(ファンサ)」をするように、応えていた。
なお、この時にはほかの候補者も、支援者と握手をするなどして交流をしていた。
また、「愛する日本と日本人のために戦って参ります」と語った高市氏の演説時には、日の丸を掲げる人もみられた。